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金融・経済ニュース

英中銀、政策金利と量的金融緩和措置を据え置き―利上げ方向の政策余地も残す

2019-05-07 09:19:00.0

<チェックポイント>
●1−3月期GDP見通しを前期比0.3%増から同0.5%増に上方修正

●「政策金利は経済予測期間の終了時点(22年)で1%に上昇する」と判断

●「金融政策は英EU離脱協議の結果次第で変わる」との判断維持

 イングランド銀行(BOE、英中銀)は2日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、英国のEU(欧州連合)離脱協議(ブレグジット)の先行き不透明感と世界経済の減速が続いていることから、政策金利を全員一致で現状の0.75%の水準を維持することを決めた。市場予想通りだった。

 また、BOEは資産買い取りスキームを通じた量的金融緩和策(QE)についても全員一致で、国債の買い取り枠4350億ポンド(約63.2兆円)、投資適格級の社債買い取り枠100億ポンドと、いずれも現状通りとすることを決めた。

 BOEは会合後の声明文で、現状維持を決めた理由について、インフレ率が抑制されていることを挙げている。「3月のCPI(消費者物価指数)で見たインフレ率は前年比1.9%上昇と、物価目標の2%上昇をやや下回ったが、経済予測期間(19年4−6月期から22年4−6月期)の前半までは主にエネルギー価格の低下で、さらに物価目標を下回る水準が続く」との認識を示した。

 一方、今回の会合で発表した最新の5月四半期インフレ報告書の経済予測では、雇用市場は引き続きタイトとなっているが、経済予測期間の終了時期には失業率が73年以来49年ぶり低水準の3.5%にまで低下することや、需要過多によるインフレ圧力の上昇により、「インフレ率は2年間で物価目標の2%上昇を超えると予想している。

 景気見通しについては、19年1−3月期GDP(国内総生産)伸び率を前回会合時の前期比0.3%増から同0.5%増に上方修正した。上方修正の理由について、英国とEU(欧州連合)の企業による英EU離脱前の在庫投資増が寄与する」とした。ただ、この伸びは一時的に終わり、「同4−6月期は同0.2%増に減速する」と予想している。

 しかし、BOEは中期的には英経済は拡大するとみている。声明文で、「世界経済の成長が安定化し、ブレグジット(英EU離脱)の先行き不透明感が徐々に薄れるにつれ、企業投資が回復し、実質賃金の増加による家計消費の拡大で内需が支えられることにより、英経済は20年から上向き始め、経済予測期間の終了時期には年率換算で2%超増に加速する」などとしている。

 金融政策の見通しについては、「政策金利は経済予測期間の終了時期(22年4−6月期)で1%に上昇する」とした。また、BOEは前回3月会合時と同様、「四半期インフレ報告書の経済予測通りに経済が進展すれば、予測期間中、継続的な金融引き締め政策は、徐々にゆっくり小幅で実施することがインフレ率を2%上昇の物価目標に持続的に戻すのに適切である」との判断を据え置いている。ただ、5月経済予測は英国のEU離脱が円滑に進み、英EU貿易協議で想定されるさまざまな合意内容の平均的な結果を前提としている。

 BOEはEU離脱をめぐる先行き不透明感が払しょくされれば、金融政策の方向性を示す可能性が高く、それまでは現状維持を継続する公算が大きい。ただ、現在の0.75%という金利水準は09年2月(1%)以来10年ぶりの高水準とはいえ、依然、超低水準に変わりはない。このため、BOEとしては金融政策の余地を残すためにも追加利上げが必要という事情もあり、前回会合に続いて、「経済予測期間中の継続的な金融引き締めは適切」との文言を残し、追加利上げの可能性を残している。

 5月経済予測の主な内容は、GDP伸び率は19年4−6月期が前年比1.6%増(前回予測は同1.3%増)、20年4−6月期は同1.5%増(同1.5%増)、21年4−6月期は同2.1%増(同1.8%増)、22年4−6月期は同2.2%増となっている。

 BOEの次回会合は6月20日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社