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3月FOMC議事録、一部委員が「米経済加速なら年内小幅利上げ」を示唆
2019-04-11 10:32:00.0
<チェックポイント>
●複数委員は経済データ次第で年内に利上げか利下げに転換する可能性を示唆
●「1−3月期GDPの減速は一時的、次四半期には強く反発する」との見通し
●バランスシート正常化の9月前倒し完了は先行き不透明感緩和に寄与するとの認識示す
FRB(米連邦準備制度理事会)は10日、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(3月19−20日開催分)を公表した。
前回1月会合で初めて採用した「将来の利上げに辛抱強く(patient)なる」という年内利上げ休止を示唆する文言を3月会合で据え置いたことに関し、「大半のFOMC委員は米国の経済見通しとその見通しに対する(上ブレ・下ブレ)リスクの進展状況をみると、年内は(利上げを避け)現状維持を正当化する可能性が高いと信じた」と指摘した。
一方、「複数の委員は今後入手する経済データの内容次第で、FF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を年内に引き上げか、引き下げのいずれかに転換する可能性がある」と主張していることが分かった。
議事録では、「一部の委員はもし米経済の成長率が長期トレンドを超えるようなことがあれば、(年内に)FF金利をやや引き上げることが適切な金融政策となる可能性がある」とし、0.25ポイントの小幅利上げ再開の可能性に含みを持たせた。また、米経済の今後の見通しについては、「FOMCのエコノミストは1−3月期のGDP(国内総生産)の減速は一時的で、4−6月期には強く反発すると見ている」と景気の先行きに楽観的になっていることを示している。
3月20日のFOMCでは、市場の予想通り、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を2.25%−2.50%に据え置くことを全員一致で決め、景気支援に政策の重点をシフトした。また、非伝統的手段としてFRBがこれまで進めてきた量的金融緩和(QE)政策により、一時4.5兆ドルにも達したバランスシートの正常化、つまり、FRBが保有している国債やMBS(不動産担保証券)の債券残高の縮小政策も9月末に終了する方針を決めた。この点について、議事録では、「9月末に早めた方がFRBのバランスシートの正常化政策の先行き不透明感を緩和するのに役立つと判断した」とし、また、「バランスシートの正常化の完了を9月前にすることの長所と短所について議論したが、9月末とした方が市場の変動リスクを緩和できる」と述べている。
金融政策に見通しについては、FOMC委員による最新の経済予測(中央値)で、19年の利上げ回数はゼロ(前回12月予測時点では2回)とした。ただ、20年は1回、21年は0回と、いずれも前回と変わらず、19年に利上げが一時休止されると予想(利上げ回数は0.25%の小幅利上げを1回分として計算)している。
政策金利の水準についても19年は2.4%(前回予測は2.9%)、20年は2.6%(同3.1%)、21年も2.6%(同3.1%)と、いずれも引き下げられた。いわゆるニュートラルな金利水準(中立金利)とする長期見通し水準は2.8%で変わらなかったことから、19年の政策金利は中立金利を下回り、景気刺激の低金利となることを意味した。
一方、今回の議事録の発表前から、市場では米経済が一段と減速した場合、年内に利下げする可能性が高まっているが、今回公表された議事録では利下げの可能性について議論されていないことから、FOMC委員の大半はまだ早期利下げを検討している兆しはないとしている。
しかし、市場ではFRBの利下げ観測は依然根強く、一部のエコノミストは20年までに3回の利下げを予想しているほどだ。また、FF金利先物市場では希望的観測を含め、利下げ確率を55%織り込んでいる。
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提供:モーニングスター社




