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金融・経済ニュース

ECB、主要政策金利を現状維持―ドラギ総裁、マイナス金利の副作用軽減を検討

2019-04-11 09:58:00.0

<チェックポイント>
●ECB、政策金利を少なくとも「19年末まで据え置く」方針を維持

●ドラギ総裁、中銀預金金利を階層化する考え示す

●TLTRO(貸出条件付き長期資金供給オペ)第3弾の詳細は今後協議

 欧州中央銀行(ECB)は10日の定例理事会で、市場の予想通り、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%、下限の中銀預金金利をマイナス0.4%、上限の限界貸出金利を0.25%と、いずれも据え置いた。

 今後の金融政策の見通しについても、前回3月会合時と同様、「ECBはインフレが中期的に2%上昇をやや下回る水準(物価目標)に持続的に収束していくことを確実にするため、少なくとも19年末まで政策金利を現在の水準で維持する」とし、超低金利政策を長期化させる考えを示した。

 ドラギECB総裁はこの日の会見で、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利の下限となっている中銀預金金利をマイナス金利にしていることについて、「銀行の企業や家計への貸し出しを難しくしているという副作用を軽減する措置を今後検討する」と述べ、現在、日銀が日銀当座預金の適用金利をマイナス0.1%、ゼロ%、0.1%に分けて金融機関に大きな影響が出ない措置を取っているように、中銀預金金利を階層化する考えを示した。これはECBがマイナス金利を長期化させるための政策修正とみられる。

 ECBは前回会合時に19年のユーロ圏の成長率を1.1%増と、18年12月予想時点の1.7%増から大幅に下方修正しており、ユーロ圏の景気は先行きの不透明感が強まっている。ドラギ総裁は会合後の会見で、景気の見通しについて、前回会合時と同様、「英国のEU(欧州連合)離脱など地政学的要因や長引く貿易保護主義の悪影響、新興市場国の脆弱(ぜいじゃく)性などが下ブレリスクだ」と述べた。

 インフレ見通しについては、今後数カ月のあいだ原油価格の下落で全体指数が低下していく可能性が高いとし、「コアインフレ率も依然、抑制されている」と指摘した。

 また、ECBは前回会合で景気刺激のための措置として「TLTRO(貸出条件付き長期資金供給オペ)」の第3弾(TLTRO3)を9月から21年3月まで導入すると決めたが、市場では国債保有比率が高いイタリアの銀行などは積極財政による国債増発で国債の価値が暴落すれば銀行の財務内容が悪化し、大手格付け機関による同国のソブリン債格下げで銀行の借り入れコストが上昇する可能性があるとみている。また、TLTRO3が発動されれば、その副作用として、イタリアの銀行は低金利の資金を企業や家計への貸し出すよりも国債購入に走り、同国発のユーロ圏債務危機が再発する恐れもある。

 ドラギ総裁はTLTRO3について、「詳しい実施要項については今後の会合で協議していく」とした。

 次回の金融政策決定会合は6月6日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社