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金融・経済ニュース

英中銀、政策金利と量的金融緩和措置を据え置き―全員一致で

2019-03-22 11:22:00.0

<チェックポイント>
●1−3月期GDP伸び率を前期比0.2%増から同0.3%増に上方修正

●「英EU離脱めぐり資産価格、特にポンドが急変動した」とポンド安懸念示す

●「合意なき離脱」予想する企業割合80%に―BOE調査

 イングランド銀行(BOE、英中銀)は21日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、政策金利を全員一致で現状の0.75%を維持することを決めた。市場の大方の予想通りだった。

 BOEは資産買い取りスキームを通じた量的金融緩和策(QE)についても全員一致で、国債の買い取り枠を4350億ポンド、投資適格級の社債買い取り枠も100億ポンドと、いずれも現状を維持することを決めた。

 BOEは現状維持を決めた理由について、会合後の声明文や議事抄録で、インフレ率が抑制されていることを挙げている。「2月のインフレ率は原油価格の上昇などで前年比1.9%上昇にやや加速した」としたが、「今後数カ月は物価目標の2%上昇に接近した水準が続く」、「全体のインフレ率は依然、伸びが緩やかになっている」との認識を示している。

 しかし、今回の会合では、「英国のEU(欧州連合)離脱日(3月29日)の延長問題や離脱方法をめぐる政治混乱が、これまで通り英国の資産価格の相場変動を激しくしている。特にポンドが急変動(急落)した」とポンド安への懸念を示した。また、「ブレグジットの先行き不透明感が引き続き目先の消費信頼感や業況感、経済活動を抑制している」との認識も示した。

 議事抄録によると、BOEが最近、実施した企業アンケート調査で、全体の80%が英EU離脱はノーディール(合意なき離脱)に終わる最悪シナリオに備えていると回答し、1月調査時点の50%から急増。また、全体の40%がノーディール・ブレグジットに備え在庫積み増しを行っている。離脱日が間近に迫り、ブレグジットの先行き不透明感の悪影響が増していることを示す。

 景気見通しについては、「最近の経済データはまちまちの結果となっているが、2月に発表した最新の四半期インフレ報告書の経済予測通りに進んでいる。経済予測では、短期的には経済は弱まる見通し。19年は経済の不活発による高水準のたるみ(生産設備や労働力などの余剰)が生じる恐れがある」とした。しかし、「予測期間(19−22年)の後半は、需要の伸びが供給を上回り、需要過多の状況が強まる」とし、先行きについては楽観的にみている。

 また、BOEは前回2月会合時点では、世界経済の減速やブレグジットの先行き不透明感で英国経済見通しへの下ブレ圧力が高まっているとし、1−3月期の英経済は減速すると予想していた。しかし、今回発表された議事抄録では、1−3月期のGDP(国内総生産)伸び率を前期比0.3%増と、前回予想時点の同0.2%増から上方修正した。

 今後の金融政策の見通しについては、前回会合時と同様、「四半期インフレ報告書の経済予測通りに経済が進展すれば、予測期間中、継続的な金融引き締め政策は、徐々にゆっくり小幅で実施することがインフレ率を2%上昇の物価目標に持続的に戻すのに適切である」との判断を据え置いた。ただ、これは英国のEU離脱が円滑に進み、特に貿易協議を含むEUとの将来関係の協議が進むことを前提としている。

 今回の会合では、前回会合時と同様、「金融政策の適切な道筋はブレグジット協議の結果が需要と供給、為替相場に及ぼす影響(上ブレ、または下ブレのいずれかの方向)によって変わってくる。ブレグジットの結果がどうであれ、金融政策は自動的に決まるものではなく、(引き締めか緩和か)どちらかの方向に向かう可能性がある」と述べた。

 BOEはEU離脱をめぐる先行き不透明感が払しょくされれば、金融政策の方向性を示す可能性がある。ただ、現在の0.75%という金利水準は09年2月(1%)以来の超低水準に変わりはない。このため、BOEとしては金融政策の余地を残すためにも追加利上げが必要という事情もある。BOEは前回会合に続いて、「経済予測期間中の継続的な金融引き締めは適切」との文言を残し、追加利上げの可能性に含みを持たせた。

 また、「将来の利上げが徐々にゆっくりとしたペースで行われる」との文言も残した。これはEU離脱後の英国経済が四半期インフレ報告書の予測通りに進んだ場合、継続的な利上げが必要になるというもので、この経済予測もEU離脱協議が最終合意し、新しい貿易関係が結ばれることを前提にしている。

 BOEの次回会合は5月2日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社