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米2月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比2万人増―市場予想大きく割り込む
2019-03-11 10:55:00.0
<チェックポイント>
●非農業部門雇用者数―天候不順や政府機関閉鎖による一過性要因が影響
●平均時給は前年比3.4%増に加速―約10年ぶり高い伸び
●失業率は3.8%に低下―2000年4月以来の低水準
米労働省が8日発表した2月雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比2万人増と、1月の同31万1000人増(改定前30万4000人増)を大幅に下回り、17年9月(1万8000人増)以来1年5カ月ぶりの低い伸びとなった。市場予想のコンセンサスである同17万3000人増に対しても大きく下ブレた。
市場では雇用市場が完全雇用に近づいているため、雇用拡大のペースはいずれ急速に鈍化すると予想していたが、想定外の伸び鈍化となった。今回の急激な鈍化について、市場では政府の一部機関の閉鎖(18年12月22日−19年1月25日までの35日間)の他、建設業や小売業などの新規雇用が減少したことから天候不順の影響を受けた可能性もあり、2月は一時的な悪化と見ている。
中長期のトレンドをみると、過去3カ月間(18年12月−19年2月)の月平均は18万6000人増と、前月(1月)時点の24万5000人増や18年(268万人増)の月平均22万3000人増を大幅に下回り、伸びが急減速した。ただ、景気回復が持続安定的に進むために必要といわれる15万人増も超えており、今後、労働市場への参加者数の増大を十分吸収できるほど堅調が続いている。
雇用者数の内訳は、民間部門が前月比2万5000人増と、1月の同30万8000人増(前回発表時は同29万6000人増)を大幅に下回り、市場予想の同16万5000人増を14万人も下回った。一方、政府部門は同5000人減となり、1月の同3000人増から減少に転じた。
失業率は1月の4.0%から3.8%に低下した。長期トレンド(傾向線)で見ると2000年4月(3.8%)以来18年10カ月ぶりの低水準となっている。これは労働市場への参加の程度を示す労働参加率(軍人を除く16歳以上の総人口で労働力人口を割ったもの)は63.2%と、前月と変わらなかったが、失業者数が30万人減の623万5000人と、大幅に減少したためだ。雇用統計は事業所調査と家計調査からなるが、このうち、失業率を算出する家計調査で、1月は17万5000人の連邦政府の職員が一時的に失業者とみなされ、失業率が4.0%に上昇した。しかし、2月は政府機関の閉鎖が終わったことでこうした要因が剥離し、失業者数が減少したものとみられる。
市場が注目していた賃金(平均時給)の伸びは前月比0.4%増と、1月の同0.1%増から伸びが加速。市場予想の同0.3%増を上回った。前年比は3.4%増となり、1月の同3.1%増を上回り、10年ぶりの高い伸びとなった。
しかし、低失業率で健全な経済状況でみられる3.5−4.0%増を下回っており、緩やかな伸びにとどまっている。現在と同じようなタイトな雇用状況だった1990年代や2000年代初頭でも賃金上昇率は約4.0%増だった。1月コアCPI(消費者物価指数)が前年比2.2%上昇だったことを考慮すると、実質賃金の伸びは1.2%増と、前月の0.9%増を上回ったが、依然低い伸びだ。
雇用統計の発表直後、米債券市場では長期金利の指標である10年国債の債券価格と反対方向に動く利回りは発表後2.645%に低下した。米債市場の反応は2月雇用者数の予想以上の小幅増加で世界景気減速の影響懸念が強まり、安全資産の国債が買われ利回りが低下したことを示す。また、市場では2月の雇用者数が予想以上に伸びず、強いインフレ加速懸念がないことから、FRBは利上げに対する慎重姿勢を変えないとの見方が多い。
<関連銘柄>
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