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1月FOMC議事録、バランスシート縮小政策を年末までに終了でほぼ意見一致
2019-02-21 11:19:00.0
<チェックポイント>
●インフレが予測以上に加速した場合、年内利上げの可能性示唆
●「辛抱強く」の文言採用で「経済とインフレの動向を判断する時間的余裕できる」と指摘
●トランプ大統領の貿易保護政策や欧州と中国の景気減速に懸念示す
FRB(米連邦準備制度理事会)は20日、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(1月29−30日開催分)を公表した。今回のFOMC声明文で初めて「将来の利上げに辛抱強く(patient)なる」という利上げの一時休止を示唆する文言を採用したことについて、「FOMCメンバーは従来の経済見通しに対するリスクや先行き不透明感に代わる適切な文言がpatientだった」と説明している。
前回会合(18年12月)で使われた「FOMCはFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標(政策金利)をさらに、ある程度、徐々に引き上げることは中期的には経済が持続的に拡大し、雇用市場が一段と強まり、インフレ率がシメントリック(上下が対称)な物価目標の2%上昇近辺に達することと合致する。経済見通しに対するリスクはほぼ均衡している」という文言をそっくり削除し、「辛抱強く」の文言に書き換えている。
また、「辛抱強く」の文言を使うことで、「FOMCメンバーはこれまでの金融政策の正常化に向けて取られてきた措置(利上げ)による経済活動とインフレへの効果を判断する機会が与えられる」と利上げの一時休止の必要性を指摘している。
さらに、「辛抱強い政策スタンスをとることで、(トランプ大統領による)貿易政策や世界経済の状況(景気減速)が今後どうなるか、より鮮明になるために必要な時間的余裕が生まれる。特に、中国と欧州の景気減速がどの程度、いつまで続くのかについてしっかりした判断を下すことが可能になる」と中国と欧州の景気減速への懸念を示した。
今後の利上げをめぐる議論については、多くのメンバーは、「年内にどんなFF金利の誘導目標の変更(利上げ)が適切となるかはまだはっきりしていない」としたが、大きく2グループに分かれているようだ。一つ目のグループは、「数人のメンバーはインフレが標準予測(為替レートと政策金利が直近の数値で変わらず推移するケース)よりも加速した場合にだけ、利上げが必要になると主張した」というもの。もう一つのグループは、「数人の他のメンバーは経済が予測通りに推移した場合、年内に利上げすることが適切となると指摘した」というもの。市場ではFRBの次回の利上げは早くて6月会合とみている。
また、今回のFOMCではバランスシートの縮小政策を据え置いたが、市場ではFRBが今後、4.5兆ドルにも達しているバランスシートの正常化(縮小)、つまり、FRBが保有している債券残高の縮小政策の終了時期に注目しており、FRBは年末までにロールオフを終了すると予想している。ロールオフとはFRBが現在、量的金融緩和(QE)からの出口戦略として、また、バランスシートの正常化のために実施している月500億ドルの国債・MBS(不動産担保証券)買い取り減額をやめることを意味する。
この点について議事録では、「FRBがバランスシートを縮小するため、(量的金融緩和から)量的金融引き締めに変わるという報道がきっかけで昨年(18年)末、株価が急落したことについて、多くのFOMCメンバーから疑問の声が出された」とし、その上で、「バランスシートの縮小は長期にわたり国債やMBSの利回りの上昇圧力となる一方で、それにより市場の投資リスクセンチメント(心理)を急速に悪化させる主因となることから、バランスシートの縮小にはほとんど関心が示されなかった」としている。
また、「ほとんどのメンバーはバランスシートの縮小は年末までにやめるべきだと主張した。やめることでバランスシートの正常化の終了プロセスを明確にすることができる」と述べ、バランスシートの縮小政策による長期金利の上昇懸念を示している。
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