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金融・経済ニュース

ECB、主要政策金利の現状維持を決定―ユーロ経済後退リスクへの観測強まる

2019-01-25 11:20:00.0

<チェックポイント>
●政策金利は少なくとも19年夏の終わりまで据え置く方針を維持

●資産買い入れは当分の間満期償還金による再投資で継続

●ドラギECB総裁、貿易保護主義や新興国市場の脆弱性などの景気リスクを指摘

 欧州中央銀行(ECB)は24日の定例理事会で、市場の予想通り、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%、下限の中銀預金金利をマイナス0.40%、上限の限界貸出金利を0.25%と、いずれも現状を据え置いた。

 ECBは今後の金融政策の見通しについても会合後に発表した声明文で、前回会合時と同様、「ECBはインフレが中期的に2%上昇をやや下回る水準(物価目標)に持続的に収束していくことを確実にするため、少なくとも19年夏の終わりまで政策金利を現在の水準で維持する」とし、今夏まで政策金利を据え置く方針を改めて強調した。

 また、ユーロ圏経済の見通しに対する景気下振れリスクが高まったとして、非伝統的手段である資産買い入れプログラム(APP)による量的金融緩和(QE)を満期償還金の再投資だけで継続する方針を決めた。ECBは18年10月から純買い入れ額(償還される債券の金額を差し引いたもの)を月150億ユーロに減額し、12月末にゼロにしている。

 ECBが前回の会合でAPP継続の可能性を残したのは、インフレ調整が予想通り持続的に進まない事態に備えたものだが、もう1つの理由として、最近のトランプ米大統領の保護貿易主義政策による世界的な貿易摩擦の激化で、ユーロ圏経済の成長鈍化リスクが高まっていることがあった。ユーロ圏経済が後退すれば持続安定的に物価目標を達成することが困難になる恐れがあるからだ。

 ECBが前回12月会合で公表した18年と19年のユーロ圏経済の成長率見通しは、18年が1.9%増、19年は1.7%増と、前回9月予想時点のそれぞれ2%増と1.8%増から下方修正されたが、市場では3月7日の次回理事会で発表される最新の経済予測で、19年の成長見通し(1.7%増)が下方修正されると予想している。IMF(国際通貨基金)も21日、ユーロ圏の今年の成長率見通しを従来の1.9%増から1.6%増に下方修正したばかり。また、一部のエコノミストはユーロ圏経済がリセッション(景気後退)に入るリスクが高まったと指摘する。

 この点について、ドラギ総裁は政策決定発表後の会見で、「ユーロ圏の経済データは予想を下回る弱い内容が続いている。特に保護貿易主義の脅威や地政学的要因が景況感を下押ししている」とし、今後のユーロ圏経済の成長見通しに対する上ブレ・下ブレの両リスクについても、「貿易保護主義や新興国市場の脆弱性、金融市場の急激な変動、地政学的要因の先行きが不透明なことから、リスクバランスは下ブレに向かっている」と前回会合に続いて景気下ブレ懸念を示した。

 しかし、ドラギ総裁は、「ユーロ圏経済は好ましい金融環境とさらなる雇用の拡大、賃金の上昇、エネルギー価格の低下、さらには、やや鈍化しているものの、世界経済の拡大によって、成長が下支えられる」とも述べ、景気の先行きに対し強気の姿勢を崩していない。

 インフレの見通しについて、ドラギ総裁は会見で、「18年12月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)はエネルギーの物価下落で11月の1.9%上昇から1.6%上昇に減速した。今後数カ月は原油先物価格が現状で推移すればHICPの全体指数は減速する可能性が高い」と、これまで通りの見方を示した。

 一方、コアインフレ率の見通しについても、前回会合時とほぼ同様に、「企業の高水準の設備稼働率やタイトな雇用市場などのコスト要因が強まる中、ECBの金融政策やユーロ圏経済の拡大、賃金の上昇によって、中期的には伸びが一段と加速する」と楽観的な見方を示している。

 ECBが前回の会合で公表したインフレ見通しでは18年が1.8%上昇(前回9月予想時は1.7%上昇)、19年は1.6%上昇(同1.7%上昇)となっている。

 次回の理事会は3月7日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社