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18年12月FOMC議事録、19年は利上げ一時休止か―利上げペースダウンの可能性示唆
2019-01-10 10:33:00.0
<チェックポイント>
●「利上げペースをもう一段緩やかにする可能性が高い」と指摘
●「世界経済減速や市場混乱で利上げの程度と時期が不透明になった」との認識示す
●「インフレ圧力低下で将来の利上げを辛抱できる」とするメンバー多数
FRB(米連邦準備制度理事会)は9日公表したFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(18年12月18−19日開催分)で、11月会合時と同様に、今後の利上げサイクルのあり方について集中的に議論し、多くの委員が将来の利上げを一時休止するか、または、利上げペースを遅らせることが可能と判断していることが分かった。
FRBは12月FOMCで市場の予想通り、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げ2.25%−2.50%とすることを全員一致で決め、政策金利は08年以来10年ぶりの高水準となった。ただ、声明文では、「FOMCはFF金利をさらに、“ある程度”ゆっくり引き上げることは中期的には経済が持続的に拡大し、雇用市場が一段と強まり、インフレ率がシメントリック(上下が対称)な物価目標の2%上昇近辺に達することと合致する」と述べ、「ある程度ゆっくり(some further gradual)」の文言を追加し、利上げペースを遅らせる考えを示している。
この点について、今回発表された議事録でも、「米経済は持続安定的に拡大し強い雇用市場が続いている」との認識を示しているものの、「利上げペースをもう一段緩やかにすることは、経済の持続安定的な拡大や強い雇用市場の環境、また、中期的にインフレ率を物価目標(2%上昇)に近い水準にすることと合致する可能性が高い」とした。
今後の金融政策に対するリスクについては、「世界経済の減速や金融市場(株や債券)の混乱など最近の環境の変化によって、適切な利上げの程度や時期がこれまで以上に不透明になった」との懸念を示した。しかし、米中貿易摩擦の激化などに見られるように、こうしたリスクが顕著になってきているものの、「多くの委員はインフレ圧力が低下していることから、FOMCは将来の利上げを辛抱できる(patient)」との認識を示している。
さらに、議事録では、「多くの委員が今後の金融政策を決定するにあたり、顕在化してきたリスクが経済活動にどの程度悪影響を及ぼすのか―中略―これまでの金融緩和から引き締め政策への転換の効果をみるべきだ」と指摘し、15年12月から始まったFRBの利上げサイクルの経済への波及効果を確認するため、利上げを一時休止する可能性に含みを持たせた。FRBは17年に3回、18年も3月会合で15年12月以降では6回目の利上げを実施し、6月会合と9月会合、12月会合で計4回の利上げを決めている。
パウエルFRB議長は4日の米経済学会の年次総会で、「金融政策に対し寛容的(patient)になる」と述べ、今後の利上げに慎重姿勢を示した。市場では今後のFRBの金融政策の見通しをめぐってマーケットが混乱していることから、FRBは当面、市場や景気指標の動向を様子見するため、利上げを一時休止し、今年最初の利上げは早くて6月になると予想している。
FRBは12月FOMCでメンバーによる最新の経済予測(中央値)を発表し、19年は2回(前回9月予測時点では3回)と予想した。しかし、市場では米景気が鈍化すれば、このうち1回は利上げを休止するとみている。この点について、議事録では、「やや限定された利上げ回数が適切となる可能性が高い」としている。
パウエル議長は10日、首都ワシントンで開かれる経済クラブで講演する予定だ。
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