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米12月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比31.2万人増―市場予想を大幅超過
2019-01-07 10:18:00.0
<チェックポイント>
●建設・製造業とサービス業が大幅増
●失業率は3.9%に上昇―労働参加率の上昇が影響
●平均時給は前年比3.2%増―インフレさらに加速
米労働省が4日発表した18年12月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比31万2000人増と11月の同17万6000人増(改定前15万5000人増)を上回り、10カ月ぶりの大幅増となった。また、市場予想のコンセンサスである同17万7000人増を大きく上回った。
中・長期のトレンドをみると、過去3カ月間(10−12月)の月平均は25万4000人増と、前月(11月)時点の17万人増や17年(217万人増)の月平均18万1000人増を大幅に上回り、伸びが加速した。また、18年全体では263万8000人増となり、17年を22%上回った。
雇用者数の内訳は、民間部門が前月比30万1000人増と、11月の同17万3000人増(前回発表時は同16万1000人増)を上回り、市場予想の同17万5000人増を12万6000人も上回った。民間部門では堅調な住宅購入需要を反映し、建設業が同3万8000人増と、11月の同横ばいから伸びが加速。また、製造業も同3万2000人増(11月は同2万7000人増)と、伸びが加速し、全体を押し上げた。
他方、サービス業も前月比22万7000人増(11月は同14万6000人増)と、伸びが急加速した。このうち、教育・健康サービス業が同5万5000人増(同1万8000人増)と、急加速し、専門・ビジネスサービス業も同4万3000人増(同4万4000人増)と、堅調を維持した。歳末商戦期に入った小売業が前月の前月比2万9000人増に続いて12月も同2万3800人増と、高い伸びとなった。政府部門も同1万1000人増と、11月の同3000人増から大きく伸びた。
失業率は3.9%(前月は3.7%)に上昇した。これは労働市場への参加の程度を示す労働参加率(軍人を除く16歳以上の総人口で労働力人口を割ったもの)が63.1%(前月は62.9%)に上昇したため。しかし、18年ぶりの低水準で、足元の米景気は強く雇用市場も堅調を維持している。
市場が注目していた賃金(平均時給)の伸びは前月比0.4%増と、11月の同0.2%増の2倍の高い伸びに加速。市場予想の同0.3%増を上回った。前年比は3.2%増と、11月の同3.1%増を上回った。
賃金の伸びがインフレ加速の兆しとなる3.0%増を超えたが、低失業率で健全な経済状況でみられる3.5−4.0%増を下回っており、緩やかな伸びにとどまっている。
雇用統計の発表直後、米10年国債利回りは急伸した。
これまで市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げサイクルが終了し、次の段階では米景気が今後2年間でリセッション(景気後退)に向かうとの思惑から景気を支援するため利下げに踏み切ると見ていた。しかし、今回の強い雇用統計の結果を受け、CBOT(シカゴ商品取引所)のFF(フェデラル・ファンド)金利先物市場では利下げ確率は今週初めの50%を割り込み、利下げ論は影を潜めた格好だ。
その一方で、失業率が3.9%(同3.7%)に上昇したことや、今後のFRBの金融政策の見通しをめぐって市場が混乱していることから、市場ではFRBは当面、市場や景気指標の動向を様子見し、今年最初の利上げは早くて6月になると予想している。これに関連して、パウエルFRB議長は4日の討論会で、「金融政策に対し寛容的(patient)になる」と述べ、今後の利上げに慎重姿勢を示したことから、市場で利上げ一時休止の思惑が広がり、ダウ工業株30種平均は急騰した。
<関連銘柄>
NASD投信<1545>、NYダウ投信<1546>、上場米国<1547>、
SPD500<1557>、国際VX中先<1561>、iS米超大型<1587>、
iS米小型<1588>、iS米高配当<1589>、iS米リート<1590>、
NYダウ<1679>、NYダウブル<2040>、NYダウベア<2041>
提供:モーニングスター社




