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金融・経済ニュース

英中銀、政策金利と量的金融緩和措置を据え置き―EU離脱協議を注視

2018-12-21 11:15:00.0

<チェックポイント>
●「継続中の金融引き締めはインフレ率を物価目標に戻すため適切」との判断維持

●今後の利上げは徐々にゆっくり小幅で実施することで今回も全員一致

●「EU離脱協議の先行き不透明でポンド安進み相場変動かなり高まった」との認識示す
 イングランド銀行(BOE、英中銀)は20日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、全員一致で政策金利を0.75%に据え置くことを決めた。市場の予想通りだった。

 また、BOEは資産買い取りスキームを通じた量的金融緩和策(QE)についても、国債の買い取り枠を4350億ポンド(約61兆2816億円)、投資適格級の社債買い取り枠を100億ポンドと、現状を維持した。

 BOEは声明文で、現状維持を決めたことについて、「最近の原油価格の大幅低下を受けて、CPI(消費者物価指数)でみたインフレ率は今後数カ月、2%上昇を下回る可能性が高い」と述べ、インフレ率が鈍化する見通しを示した。11月のCPIは前年比2.3%上昇とBOEの物価目標(2%上昇)を上回ったが、今回の会合で同時発表された議事抄録では、19年1月に1.75%上昇と物価目標を下回ると予想している。

 一方、「英EU(欧州連合)離脱協議の先行き不透明感が強まり、英国の金融市場への圧力が増している。ポンド安が一段と進み、相場変動もかなり高まっており、インフレ懸念は長期や短期を問わず上昇してきている」とインフレが加速する可能性も指摘している。

 また、BOEが現状維持を決めた要因の一つとして、英国の景気鈍化懸念を挙げている。BOEは声明文で、「英EU離脱協議の先行き不透明感が強まる一方で、世界景気の鈍化によって、英国経済の短期の成長見通しが下押しされている。企業の設備投資はこの3四半期減少しており、短期的にも設備投資が低下し続ける可能性が高い」とし、英国経済の見通しに下ブレ圧力が高まっていることを指摘している。議事抄録では、10−12月期のGDP(国内総生産)伸び率は、前回11月会合で発表した四半期インフレ報告書の経済予測を0.2%ポイント下回る前期比0.6%増となり、7−9月期の同0.9%増を下回るとみている。

 その上で、今後の金融政策の見通しについては、「11月会合時に発表した四半期インフレ報告書の経済予測通りに経済が進展すれば、(今後3年間の)予測期間中、継続的な金融引き締め政策はインフレ率を2%上昇の物価目標に持続的に戻すのに適切である」との判断を据え置いた。ただ、これは英国のEU離脱が円滑に進み、特に貿易協議を含むEUとの将来関係の協議が進むことを前提としている。

 EU離脱をめぐる先行き不透明感が払しょくされれば、BOEの金融政策の方向性が出てくる可能性がある。それまでBOEは現状を維持する可能性が高い。ただ、現在の0.75%という金利水準は09年2月(1%)以来9年10カ月ぶりの水準とはいえ、依然、超低水準に変わりはない。このため、BOEとしては金融政策の余地を残すためにも追加利上げが必要という事情もある。

 8月の利上げも19年3月の英国のEU離脱後の急激な景気変動に備え、景気刺激の利下げ余地を残すためだった。このため、BOEは、前回会合に続いて、「経済予測期間中の継続的な金融引き締めは適切」との文言を残し、追加利上げの可能性に含みを持たせている。

 また、BOEは、「将来の利上げが徐々にゆっくりとしたペースで行われる」との文言も残した。これはEU離脱後の英国経済が四半期経済見通し通りに進んだ場合、継続的な利上げが必要になるというもので、この経済予測自体、EU離脱協議が最終合意し新しい貿易関係が結ばれることを前提にしている。

 BOEの次回会合は19年2月7日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社