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英議会、英EU離脱協定案を批准せず再協議か―高まるノーディールの現実味
2018-11-27 13:04:00.0
英EU(欧州連合)離脱協議で未合意だった北アイルランド国境問題、つまり、アイルランドを南北に分断する約500キロにわたる国境を鉄条網や検問所などを設けて厳重に警備する「ハードボーダー」を回避する解決方法(バックストップオプション条項)でようやくEUとの間で合意に達したことを受けて、メイ英首相は11月14日に緊急閣議を招集し、17対11の賛成多数でEUとの最終合意案(離脱協定案)を政府決定した。
11月25日にはEUサミット会合で加盟27カ国によりメイ首相の離脱協定案とEUとの将来の関係(貿易協定)を協議するための政治宣言(交渉方針)が承認されたことで、今後、英国は12月10日にも議会を招集し離脱協定案の批准手続きに入ることになった。
しかし、すでにメイ政権を支える北アイルランドの民主ユニオニスト党(DUP)を始め、最大野党の労働党、野党第2党の自由民主党、さらにブレグジット欧州調査グループ(ERG)など与党・保守党内のEU懐疑派はメイ首相との全面対決の方針を示しており、同案の否決、または下院議長が「意味のある投票(EUとの最終合意に対する議会の拒否権行使)」に基づいて政府に離脱協定案の修正を義務付けるのは必至で、メイ首相は議会との全面対決が避けられない見通しだ。
もし、同案が議会によって否決または修正が命じられた場合、メイ首相はEUと再協議に入り移行期間終了の20年12月までに北アイルランドのバックストップオプション条項に新たな修正を加えた離脱協定案をまとめなければならない。
ただ、EUのユンケル欧州委員会委員長(ルクセンブルク元首相)はEUサミット後、記者団に対し、「離脱協定案は最終決定であり唯一の協定だ」と述べており、英国からの修正要求に応じる可能性はかなり薄いというのが大方の見方だ。
他方、英紙デイリー・テレグラフの欧州デスク、ピーター・フォスター氏は11月24日付コラムで、英国のEU離脱を可能にするリスボン条約第50条が見直され、離脱日が19年3月から同7月に延長され、メイ首相に代わる新首相の選挙や総選挙、EU離脱の是非を問う2回目の国民投票、ノルウェー・EFTA方式を追求する貿易協議が起こると予想している。
12月の英議会でメイ首相の離脱協定案が否決された場合、最大野党の労働党が政権奪回を目指し、議会に総選挙を求める動議を出す可能性がある。しかし、総選挙の実施には議会の3分の2の賛成が必要となるため、実現性は乏しい。総選挙がダメなら2回目の国民投票となるが、こちらのほうが労働党は保守党の分断を利用して支持を得やすく実現性は高いとみられている。また、政府がノーディールによるEU離脱法案(ノーディル法案)を議会に提出することも考えられる。しかし、このノーディール法案も議会が否決した場合、メイ政権は完全に行き詰まるので総選挙に向かうことになる。いずれにせよ、英国のEU離脱協議は混迷が続き、ノーディールで終わる可能性が高まったといえる。
提供:モーニングスター社




