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RBA、市場予想通り政策金利を1.50%に据え置き−25会合連続
2018-11-06 16:27:00.0
<チェックポイント>
●18−19年の経済成長率見通しを平均3.0%増から3.5%増に上方修正
●インフレ率は今後数年間にわたって徐々に加速―19年は2.25%上昇と予測
●失業率は20年には4.75%に低下へ―前回見通しから改善方向に修正
豪準備銀行(RBA、中銀)は6日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)を市場の予想通り、過去最低水準である1.50%に据え置くことを決めた。16年9月に据え置きに転じて以降、これで25会合連続の現状維持となる。市場では中銀は20年まで金融政策を維持すると予想している。
RBAが金融政策を据え置いた背景にはインフレ率が物価目標(2−3%上昇)を下回り、低水準が続いていることがある。理事会後に発表した声明文で、「インフレ率は低位で安定しており、全体指数は年率1.90%上昇、また、コアインフレ率は1.75%上昇となっている」とし、前回10月会合時と同様、インフレ率は当分の間、低水準が続く可能性が高いと判断している。ただ、19年以降の見通しについては、「インフレ率は今後数年間にわたって加速していくと思われるが、徐々に上昇する可能性が高い」とした上で、今回の会合で初めて、「19年に2.25%上昇となり、その後はそれよりやや高くなる」と見方を示した。
また、インフレ加速要因となる賃金の見通しについては、RBAは前回会合時と同様、「賃金の伸びは依然として低い」としたが、「ここ最近、やや伸びが加速している。経済が強くなるにつれて賃金はさらに伸びる。ただ、これはゆっくり徐々に進む可能性が高い」とし、強気見通しを維持した。
その上で、前回会合時と同様に、「低金利はオーストラリア経済を引き続き下支えしていく。今後、失業率の低下が一段と進み、インフレ率が物価目標の水準に戻ることが予想されるが、緩やかなペースで進む。こうしたさまざまな判断材料に基づいて、われわれは金融政策を現状のまま維持することが、経済成長を持続的に安定させ、やがて物価目標を達成することに役立つと判断した」と述べている。
また、豪ドル相場の現状認識や見通しについて、前回会合時と同様、「豪ドルは貿易加重平均では過去2年間の水準の範囲内にある」とした。しかし、前回使われた「ここ最近の豪ドル相場は多くの他の通貨と同様に米ドルに対し下落している」の文言を削除し、新たに、「最近の豪ドル相場はその(過去2年間の水準の範囲)下限近くにある」とし、豪ドル相場がやや高まったとの認識を示した。これを受けて、豪ドル相場は金融政策の発表後、米ドルに対しやや上昇した。
RBAは景気刺激を狙って豪ドルを安値に誘導する方針をとっているため、豪ドルの上昇を警戒しているが、今回、「過去2年間の水準の範囲内にある」との文言を残したことから、市場ではRBAは豪ドル高阻止の介入を行わないと受け止められたようだ。
景気の先行きについては、18年と19年のGDP(国内総生産)伸び率の見通しを前回発表時の「平均で3.0%増をやや超える」から「平均で3.5%増になる」と上方修正した。
9月に発表された豪4−6月期GDPは前年比3.4%増と堅調だったが、先行きの見通しについてRBAは、「(経済見通しの)不安定要因の一つは家計消費だ。家計収入の伸びは緩やかで、家計債務は高水準にある」と前回と同様に家計消費が景気下ブレリスクになるとの見方を据え置いた。
雇用市場の見通しについては、強含みも一部地域で熟練労働者が不足していると前回通りの認識を示した上で、「強い経済の伸びによって失業率は一段と低下し、20年には4.75%(前回は5.30%)に低下する」とし、前回会合時の「失業率は今後数年間で5%に下がる」との見通しから上方修正(改善方向)した。
9月失業率は5.0%と、8月の5.3%を下回った。12年4月以来6年半ぶりの低水準となり、賃金上昇とインフレを急速に加速させるといわれる完全失業率(5.0%)に達した。ただ、9月の失業率低下は、9月常用雇用就業者数が前月比5600人増と、8月の同4万4000人増から伸びが鈍化したのが主な要因のため、市場では見かけほど強い結果ではなく、すぐに賃金の伸びが加速することにはならないとみている。
次回会合は12月4日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




