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米7−9月期実質GDP3.5%増―市場予想上回る
2018-10-29 10:55:00.0
<チェックポイント>
●個人消費と政府投資、在庫投資がけん引
●輸出が米中貿易摩擦の激化で減速、住宅投資と民間投資も低迷
●18年GDPは3.0%増と13年ぶり高い伸びとなる見通し
米商務省が26日発表した18年7−9月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済みで前期比年率換算3.5%増と、前期4−6月期の同4.2%増から伸びが減速した。GDP全体の約7割を占める個人消費に加え、政府投資と在庫投資が高い伸びとなった一方で、トランプ米政権の保護貿易主義による米中貿易摩擦の激化で輸出が低迷し、また、住宅投資も引き続き減退した。
ただ、市場予想の同3.3%増を上回り、2四半期連続で14年以来4年ぶりの高い伸びを維持している。市場では4−6月期GDPの強い伸びは一過性で、7−9月期以降は米中貿易摩擦の激化で輸出も低調となり、GDPは鈍化すると予想されていた。
前年同期比の伸び率は3.0%増(4−6月期は同2.9%増)となった。17年全体の2.2%増や16年の1.6%増を大幅に上回り、トランプ大統領が選挙公約としていた4%増超(その後3%増に修正)の伸びと一致し、堅調を維持した。
一方、FRB(米連邦準備制度理事会)が9月に公表した最新の経済予測では、長期見通し(5−6年先)であるGDP潜在成長率は1.8%増となっている。この他、18年は3.1%増、19年は2.5%増、20年は2.0%増、21年は1.8%増としている
7−9月期GDPにおける輸出は前期の伸び(9.3%増)を大幅に下回る同3.5%減となり、寄与度も前期の1.12%からマイナス0.45%に落ち込んだ。これはトランプ大統領の保護貿易政策で世界的な貿易摩擦が激化したことや、前期の輸出が貿易相手国による報復関税が導入される前に主に大豆などの農産物輸出が前倒しされ急増した反動減とみられている。また、輸出の伸びが輸入の伸び(9.1%増)を大幅に下回り、貿易赤字が6465億ドルと、前期より967億ドルも拡大したことで、純輸出(輸出額−輸入額)の寄与度は前期の1.22%からマイナス1.78%に低下し、GDPを押し下げた。市場では米中貿易摩擦の激化によって、今後、輸出の伸びがさらに鈍化するとみている。
GDPデフレーターは、前期比年率換算で1.7%上昇と、前期の3%上昇を下回り、市場予想の2.1%上昇も下回った。また、PCE(個人消費支出)物価指数は前期比年率換算1.6%上昇と、前期の2%上昇から伸びが減速。さらに、FRBが最も重視しているコアPCE物価指数(値動きが激しいエネルギーと食品を除く)も同1.6%上昇(前期は同2.1%上昇)に減速し、FRBの物価目標の2.0%上昇を下回った。市場ではコアPCE物価指数の低下はFRBの景気過熱懸念を後退させるもので、利上げサイクル継続の根拠を弱めるとの見方やインフレ率の減速は米景気がリセッション(景気後退)にはならない可能性が高まったという見方が出てきている。
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