youtube fund_beginer fund_search fund_look

金融・経済ニュース

ECB、主要政策金利を現状維持―19年夏の終わりまで据え置く見通し

2018-10-26 12:14:00.0

<チェックポイント>
●資産買い取り減額の年内終了スタンスを維持

●ユーロ圏経済成長に対するリスクはおおむね均衡―ドラギECB総裁

●保護主義や新興国市場の脆弱性、金融市場の急激変動を懸念―ドラギ総裁




 欧州中央銀行(ECB)は25日の定例理事会で、市場の予想通り、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%、下限の中銀預金金利をマイナス0.40%、上限の限界貸出金利を0.25%と、いずれも現状のまま据え置いた。

 ECBは会合後に発表した声明文で、前回9月会合時と同様、「ECBはインフレが中期的に2%上昇をやや下回る水準(物価目標)に持続的に収束していくことを確実にするため、少なくとも19年夏の終わりまで政策金利を現在の水準で維持する」とし、来夏までの政策金利を据え置く方針を改めて強調した。市場では「夏の終わり」が7−9月期を指すのか、または、9月以降なのかをめぐって意見が分かれている。

 また、ECBは非伝統的手段である資産買い入れプログラム(APP)による量的金融緩和(QE)のテーパーリング(段階的縮小)についても、予定通り10月から買い入れ額を現在の月300億ユーロから半分の月150億ユーロに減額することを決めた。その上で、12月末に純買い入れ額(償還される債券の金額を差し引いたもの)をゼロにし、APPを終了する方針も据え置いた。

 ECBはAPPを終了したとしても利上げを十分な期間を置いてから開始したい考えなので、市場では利上げ開始時期が19年後半になるとみている。

 ドラギECB総裁は会合後の会見で、「9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は食品やエネルギーの物価上昇で8月の2%上昇から2.1%上昇に加速した。今後数カ月はHICPの全体指数は現在の水準で推移する可能性が高い」とした一方で、「コアインフレ率は抑制されているが、過去の低水準から上昇してきている。企業の高水準の設備稼働率やタイトな雇用市場などのコスト要因が強まる中、今後、ECBの金融政策やユーロ圏経済の拡大、賃金の上昇によって年末に向けて上昇し、中期的には伸びが一段と加速する」とインフレの先行きに楽観的な見方を示している。

 しかし、ECBは今回の声明文でも、「純買い入れ額がゼロになったあと、もし必要があれば、流動性の潤沢供給や適切な金融政策を維持するため、ECBはAPPによる債券買い入れを長期にわたって継続する」との文言を残した。これはインフレ調整が予想通り持続的に進まない事態に備えたものだ。

 また、別の理由として、最近のトランプ米大統領の保護貿易主義政策による世界的な貿易摩擦の激化で、ユーロ圏経済の成長鈍化リスクが高まっていることがある。ユーロ圏経済が後退すれば持続安定的に物価目標を達成することが困難になる恐れがあるからだ。この点について、同総裁は会合後の会見で、「ユーロ圏経済成長の見通しに対する(上ブレ・下ブレ)リスクはおおむね均衡している」としたが、「貿易保護主義や新興国市場の脆弱性、金融市場の急激な相場変動に絡んだリスクは顕著になっている」と懸念を示している。

 次回の金融政策決定会合は12月13日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社