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米9月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比13.4万人増―市場予想下回る
2018-10-09 09:44:00.0
<チェックポイント>
●非農業部門雇用者数、ハリケーン被害で急減―7月・8月上方改定も影響
●平均時給は前年比2.8%増―賃金上昇圧力強まる
●失業率は3.7%―48年ぶり低水準に
米労働省が5日発表した9月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比13万4000人増と、8月の同27万人増を大幅に下回り12カ月ぶりの低い伸びとなった。また、市場予想の同18万4000人増も下回った。
これは前2カ月(7月と8月)の数値が計8.7万人も上方改定されたことによる反動や9月中旬の大型ハリケーン「フローレンス」の暴風雨や洪水による被害が米東部各地に及んだ影響が現れた可能性があり、市場は9月の弱い結果を一時的なものに終わると見ている。実際、ハリケーンの影響でレジャー・接客業は前月比1万7000人減、このうち、レストラン・バーは同1万8200人減、小売業は同2万人減と急減している。
労働省によると、ハリケーン「フローレンス」などの天候悪化が原因で出勤できなかった労働者数は29万9000人と、8月の2万3000人を大幅に超え、いかに突出していたかが分かる。その一方で、多くのエコノミストは雇用市場が完全雇用に近づいているため、雇用拡大のペースはいずれ急速に鈍化すると予想しており、9月の弱い結果がその兆しかどうか、10月以降のデータに注目している。
失業率は3.7%と1969年12月以来48年ぶり低水準となった。市場予想は3.8%だった。市場では足元の米景気は依然強く雇用市場も堅調を維持していることから、失業率は今後数カ月、一段と低下していくと予想している。
市場が注目した賃金(平均時給)の伸びは前月比0.3%増と、8月の同0.3%増に続いて3カ月連続で伸びが加速し、市場予想と一致した。ただ、前年比は2.8%増と、09年5月以来9年ぶりの高い伸びとなった8月の同2.9%増をやや下回ったが、市場では米経済が強く、失業率の低下で見られるように雇用市場がタイトとなっていることから、いずれインフレ加速の兆しと見られる同3.0%増を超えるとみている。これは経営者が不足している熟練労働者を確保するため、賃金を引き上げ始めているからだ。
雇用統計の発表直後、米債券市場では賃金が高い伸びを示したことでインフレ加速懸念が強まり、追加利上げは避けられないとして、10年国債が売られ債券価格と反対方向に動く利回りが3.218%と、7年ぶりの高水準となった。市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)が12月会合で年内4回目の利上げを行うとの見方を強めている。
ただ、賃金の伸びは低失業率で健全な経済状況でみられる3.5−4.0%増を未だに下回っており、緩やかな伸びにとどまっている。現在と同じようなタイトな雇用状況だった1990年代や2000年代初頭でも賃金上昇率は約4.0%増だった。インフレ率(8月消費者物価指数(CPI)のコア指数は前年比2.2%上昇)を考慮すると、実質賃金の伸びは0.7%増となる。
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