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米8月住宅着工件数、前月比9.2%増の128.2万戸―市場予想上回る
2018-09-20 11:08:00.0
<チェックポイント>
●アパート着工件数の大幅増加が大きく影響
●NAHB住宅建設業者指数は前月と同じ今年最低水準
●8月建築許可件数、大幅減少に転じ住宅供給不足続く見通し
米商務省が19日発表した8月住宅着工件数(季節調整値)は年率換算で前月比9.2%増の128万2000戸と、7月の同0.3%減の117万4000戸(改定前116万8000戸)から3カ月ぶりに増加に転じ、1月の同10.2%増以来7カ月ぶりの大幅増となった。水準的にも市場予想の122万9000戸を上回り、5月の132万9000戸以来3カ月ぶりの高水準となった。前年比も9.4%増と、3カ月ぶりに前年水準を上回った。
月によって変動が激しい2世帯以上のアパートやマンションなどの集合住宅(5世帯以上)が前月比27.3%増の39万2000戸と急増したためで、主力の一戸建ては同1.9%増の87万6000戸にとどまった。
また、過去2カ月(6月と7月)の着工件数がいずれも上方改定された。7月の数値は前回発表時の116万8000戸から117万4000戸に、6月も115万8000戸から117万7000戸に改定され、計2万5000戸の上方改定となった。
失業率が18年ぶりの低水準に近い3.9%と、タイトな雇用市場を反映して賃金が着実に伸びている一方で、住宅在庫が不足していること、また、住宅価格が高騰していることを考えると、住宅着工は引き続き緩やかに拡大していくというのが大方の見方だ。
一方、今回の着工統計の前日18日に発表された、住宅業界、特に一戸建て建築の業況判断を示す9月のNAHB(全米住宅建設業者協会)/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は、今年最低水準の前月(8月)と変わらずの67だった。好不況の境目を示す50を上回っているとはいえ、住宅建築の先行き懸念は強い。
NAHBのチーフエコノミスト、ロバート・デイツ氏は、「建築業者はトランプ政権の貿易摩擦政策による資材価格の上昇や住宅ローン金利の上昇、過剰な住宅規制のリスクに直面している一方で、長期保有が可能な手ごろな価格となっているかをみる住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)の悪化が問題となっている」とし、住宅建築の先行きに警戒感を示す。
トランプ米大統領による2000億ドル相当の対中経済制裁の発動によって、住宅関連では約600品目が10%の追加関税をかけられ10億ドルのコスト増になると試算している。また、米国は17年4月にカナダからの木材輸入に対し反ダンピング税を課したため、カナダからの木材輸入価格が過去最高の水準となっており、木材価格は17年1月以降、1戸当たり換算で約7000ドル高く、住宅価格もその分高騰している。一方、建築用地と熟練労働者の確保が困難なことから建築業者は供給を増やせない状況にある。
先行指標である住宅建築許可件数は、主に建築資材の価格上昇を受けて、一戸建てとアパートはともに減少した。8月は前月比5.7%減の122万9000戸と、7月の同0.85%増の130万3000戸から再び減少に転じ、市場予想の131万戸も下回った。今年のピーク時の136−137万戸台(3−4月)に比べるとまだ低水準だ。前年比は5.5%減と、前年水準を下回り、当分、深刻な住宅供給不足の状態が続く見通しだ。1−8月累計では前年比4.9%増となっている。
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