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ECB、主要政策金利を維持―資産買い取り減額の年内終了も維持
2018-09-14 10:48:00.0
<チェックポイント>
●買い入れ額は予定通り10月から月額150億ユーロに減額
●20年までのユーロ圏の成長率見通しは下方修正
●「経済は依然堅調でQE縮小でも物価目標の持続的達成は可能」とECB総裁
欧州中央銀行(ECB)は13日の定例理事会で、市場の予想通り、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%、下限の中銀預金金利をマイナス0.40%、上限の限界貸出金利を0.25%と、いずれも現状維持とした。
理事会後に発表した声明文で、前回7月会合時と同様、「インフレの調整(物価目標に向かって上昇していくこと)が予想通り持続的に進むことを確実にするため、少なくとも19年夏の終わりまで政策金利を現在の水準で維持する」とし、19年夏までの政策金利を据え置く方針を改めて強調した。市場では「夏の終わり」が7−9月期を指すのか、または、9月以降なのかをめぐって意見が分かれているが、ドラギECB総裁は今回の会合後の会見でもこの点については明らかにしなかった。
同総裁は記者団から利上げ時期や景気またはインフレ率が減速した場合、どう対応するかという質問に対しては、年末までにあと2回(10月と12月)会合を開くのでまだ時間があることから、「今は議論するのは時期尚早だ」と述べた。
また、ECBは非伝統的手段である資産買い入れプログラム(APP)による量的金融緩和(QE)のテーパーリング(段階的縮小)については、予定通り10月から買い入れ額を現在の月300億ユーロから半分の月150億ユーロに減額する。また、12月末に純買い入れ額(償還される債券の金額を差し引いたもの)をゼロにし、APPを終了する方針も据え置いた。
また、今回の声明文でも、「純買い入れ額がゼロになったあと、もし必要があれば、流動性の潤沢供給や適切な金融政策を維持するため、APPによる債券買い入れを長期にわたって継続する」との文言を残した。
今後のユーロ圏経済見通しに対するリスクについて、ドラギ総裁は会合後の会見で、「(米国を中心とした)保護貿易主義の台頭や新興国市場の脆弱性、金融市場の急激な相場変動に絡んだリスクが最近、一段と顕著になっている」としたものの、これまで通り、「ユーロ圏経済成長の見通しに対する(上ブレ・下ブレ)リスクはおおむね均衡している」と述べ、強気の見方を示した。市場では、もし、この文言が削除された場合、ユーロ売りなど市場の混乱が起きる可能性があると懸念していた。
また、ドラギ総裁は9月の最新のユーロ圏経済予測を発表した。それによると、世界的な貿易摩擦で外需が低下する見通しからユーロ圏の成長率見通しを下方修正。新しい予測では18年が2.0%増、19年は1.8%増、20年は1.7%増と、前回6月予測時点の18年2.1%増、19年1.9%増、20年1.8%増に比べ、いずれも0.1ポイント下方修正しており、景気下ブレリスクが続いていることを示した。
一方、インフレ率は18−20年が平均1.7%上昇と、前回6月予測時点と変わらず、いずれも物価目標の2.0%上昇弱を下回っている。景気見通しが下方修正されただけに、インフレが十分加速せず物価目標の持続的達成リスクが高まったといえる。
しかし、ドラギ総裁は会見で、「9月予測はおおむね経済の拡大が継続し、インフレが緩やかに上昇していくことを確認した。足元の力強い経済がQEを徐々に縮小した後でも物価目標の持続的達成が可能だという自信を持たせてくれる」と強気の構えを崩していない。
次回の金融政策決定会合は10月25日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




