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米8月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比20.1万人増―市場予想上回る
2018-09-10 09:33:00.0
<チェックポイント>
●平均時給は前月比0.4%増に加速―市場予想上回る
●失業率は3.9%と変わらず依然18年ぶり低水準
●9月FOMCでの利上げほぼ確実に―年内4回の利上げ確度高まる
米労働省が7日発表した8月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比20万1000人増と、7月の同14万7000人増を大幅に上回り、3カ月ぶりに伸びが加速。市場予想のコンセンサスである同18万7000人増に対しても大きく上回った。ただ、過去2カ月(6月と7月)の数値が計5万人も下方改定されたことを考慮する必要がある。
非農業部門雇用者数の内訳は、民間部門が前月比20万4000人増と、7月の同15万3000人増(前回発表時17万人増)を上回り、市場予想の同17万5000人増を大きく上回った。民間部門では強い住宅購入需要による堅調な住宅市場に支えられ、建設業が同2万3000人増(7月は1万8000人増)と、熟練労働者の雇用が難しくなっている中で伸びが加速した。それとは対照的に、製造業は貿易摩擦の激化と熟練労働者不足で、同3000人減(7月は同1万8000人増)と、13カ月ぶりに減少に転じた。
サービス業は伸びが前月比17万8000人増(7月は同11万7000人増)と、3カ月ぶりの大幅増となった。このうち、教育・健康サービス業が同5万3000人増、専門・ビジネスサービス業も同5万3000人増となった。その一方で、小売業は7月の同4000人増から8月は6000人減と、減少に転じた。小売大手各社の売上が堅調となっているだけに市場ではサプライズとなった。一方、政府部門は同3000人減と、7月の同6000人減に続いて2カ月連続で減少し、全体の伸びを押し下げた。これは学校が夏休みに入ったため、臨時雇用されていた教員が仕事を失ったためだ。
中長期のトレンドをみると、過去3カ月間(6−8月)の月平均は18万5000人増と、前月時点(5−7月)の20万8000人増を下回り伸びが減速したが、17年(217万人増)の月平均18万1000人増を上回っている。景気回復が持続安定的に進むために必要といわれる15万人増も超えている。
失業率は、18年ぶり低水準(5月に記録した3.8%)に近い3.9%と変わらず、雇用市場は堅調を維持。足元の米景気が依然強いことを示している。
市場が注目した賃金(平均時給)の伸びは前月比0.4%増と、7月の同0.3%増(6月は同0.2%増)に続いて2カ月連続で伸びが加速し、市場予想の0.2%増を上回った。
一方、前年比は2.9%増と、09年5月以来9年ぶりの高い伸びとなった。7月の同2.7%増や市場予想の同2.7%増を上回り、インフレ加速の兆しと見られる同3%増に急接近したことで賃金の伸びが底入れの兆しを見せ始めた。これは経営者が熟練労働者を確保するために賃金を引き上げ始めたものとみられる。
米債券市場では、平均賃金が強い伸びとなったことを受け長期国債利回りが一時2.911%と8月8日以来の高水準に達した。市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)が次回9月25−26日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げをほぼ確実とみており、さらに12月に年内4回目の利上げを行うとの確度が強まった。
<関連銘柄>
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