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金融・経済ニュース

パウエルFRB議長、ジャクソンホール会議で講演―緩やかな利上げ継続を強調

2018-08-27 10:03:00.0

<チェックポイント>
●米インフレ率2%超で加速する兆候なしとの見方示す

●米景気の過熱リスクは高まっていないと発言

●穏当発言受け米株高進行

 FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は24日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれたカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演し、「所得や雇用の力強い拡大がこのまま続けば、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を徐々に引き上げることは適切と思われる」と述べ、緩やかな利上げサイクルを継続する考えを改めて強調した。

 ただ、今後の利上げペースについては、「利上げを急ぐあまり、不必要に経済の拡大が中途半端になったり、反対に、利上げを遅らせすぎて景気を過熱させたりするという2つのリスクがあるが、現在の徐々に利上げしていくという道筋が2つのリスクに対する取るべきアプローチだ」と、経済の持続的安定成長とインフレ加速の抑制という2つの目標をバランスよく達成する必要性を唱えた上で、慎重な金融政策運営を目指していく考えを示した。

 景気とインフレの両リスクに対する現状認識についても、「最近のインフレ率は物価目標の2%上昇近くにまで加速してきているが、2%上昇を超えて加速していく明確な兆候は見られない。他方、景気が過熱するリスクが高まっている兆しもない。これは良いニュースで、現在進めている、中立金利に向かって政策金利を緩やかに引き上げていくという金融政策の正常化プロセスの効果の表れといえる」と述べている。

 FRBは6月に公表したFOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーによる最新の経済予測で、年内4回の利上げを予測している。パウエル議長のこの発言はFOMCの見通しを超えて利上げを加速させる必要がないことを意味する。

 FOMCメンバーの経済予測によると、政策金利の引き上げペースの見通し(中央値)は、18年が4回(前回3月予測時点は3回)、19年は3回(同3回)、20年は1回(前回は2回)となっている。全体的に利上げは今後3年間続くが、19年まで積極的に行われ20年以降は落ち着く見通し。また、政策金利の水準についても18年が2.4%(前回は2.1%)、19年は3.1%(前回は2.9%)、20年は3.4%(同3.4%)と、19年と20年に政策金利が中立金利である長期予測を超えると予想している。これは政策金利が中立金利より高くなれば高金利となるので景気抑制を意味することになり、利上げサイクルが終了する時期を示す。

 すでに市場では9月FOMCで小幅利上げが決まる確率を約96%、また、12月FOMCでの4回目の利上げ確率を60%織り込んでいる。

 また、22日に公表されたFOMC議事録(7月31日−8月1日開催分)では、経済見通しに対するリスクとして、トランプ米大統領の保護貿易主義の外交政策による世界的な貿易摩擦の激化が指摘され、利上げサイクルの継続が変更を余儀なくされる可能性が示されたが、パウエル議長は講演ではトランプ大統領の貿易政策には言及しなかった。

 さらに、パウエル議長はトランプ大統領が最近、FRBの利上げ継続について、景気拡大の腰を折るとして不満を表明していることについても言及しなかった。

 講演直後、ニューヨーク証券取引所では、こうしたパウエル議長の金融政策に関する穏当発言を受けて、ダウ工業株30種平均が前日比0.52%高の2万5790.35ドルを付けた他、S&P500指数やナスダック総合株価指数も急伸した。

<関連銘柄>
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提供:モーニングスター社