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7月31日−8月1日開催FOMC議事録、9月利上げを示唆―年4回の利上げ見通しを維持
2018-08-23 10:44:00.0
<チェックポイント>
●「利上げをすぐ実施することは適切」とし、9月利上げを示唆
●近い将来「依然として金融緩和的」の文言の修正・削除で一致
●世界的な貿易摩擦の激化が経済見通しの下ブレリスクとなると指摘
FRB(米連邦準備制度理事会)は22日公表したFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(7月31日−8月1日開催分)で、米経済と雇用市場が堅調を維持していることから、ゆっくりとした利上げ方針を継続し、次回9月26日のFOMCで年3回目の利上げを実施する見通しを示した。
議事録では、「委員らは政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標をさらに、引き上げることは、中期的に経済を持続的に拡大し、強い雇用市場を維持し、インフレ率がシメントリックな物価目標の2%上昇近辺に達することと合致すると判断した」と指摘する一方で、「多くの委員は今後、入手可能な経済データによって委員らの経済見通しが変わらなければ、金融緩和的となっている今の政策から抜け出す手段をすぐに講じることは適切となる可能性が高いと指摘した」と述べている。
8月1日のFOMC前、市場では今後の利上げサイクルがいつ終了するかを示す「金融政策スタンスは依然、金融緩和」という、マネタリー・コンディション(金融環境)に関する文言が声明文から削除されるか、あるいは修正されるかが注目されていた。政策金利は現在、インフレ圧力を高めることなく経済の安定成長を可能にする短期金利の水準で金融政策が目指すべきといわれる、中立金利(均衡金利)に近づいていることから、この文言が完全に削除されれば、利上げは想定より少なくなる可能性があった。
しかし、FOMCではこの文言が削除されなかったことから、市場では年4回(3月と6月に利上げしたので、あと9月と12月の2回)の追加利上げ織り込んでいる。
議事録では「依然、金融緩和的」との文言を削除、あるいは修正する必要がなかったことについて、「いろいろな委員は6月FOMC以降に入手した最新の経済データを見る限り、委員らの経済見通しを大きく変えるようなものはなかった」と述べており、すぐには文言の削除や修正の必要がなかったとしている。その上で、「金融緩和的な政策スタンスは強い雇用市場やインフレ率を大体2%上昇の水準で支えるのに役立っている」と指摘している。
しかし、議事録では、将来的にはこの文言を削除・修正の可能性が高いことで委員らの意見が一致したと指摘している。この点については、議事録では「多くの委員はそう遠くない将来、(依然、緩和的とする)金融政策スタンスの文言を修正することが適切となる可能性が高いと指摘した。FF金利が中立金利に接近していることから、金融政策スタンスは依然緩和的との文言は遠くない将来の近い時点でもはや適切でなくなるとした」と述べている。
利上げサイクルの継続方針とは反対に、議事録では今後の金融政策の見通しについて、利上げ継続が変更される可能性についても言及している。
8月1日のFOMC後に発表された声明文では、「経済見通しに対するリスクはほぼ均衡していると思われる」となっているが、議事録では、この経済見通しリスクについて、「委員らはゆっくりとした利上げの正当性が認められるか、あるいは、こうした道筋(利上げサイクル)から逸脱しなければならなくなるかもしれないシナリオについて議論した」と述べている。
特に、「多くの委員は経済見通しの下ブレリスクとして、(トランプ米大統領の保護貿易主義の外交政策による)世界的な貿易摩擦の激化を指摘した」、また、「一部の委員は世界貿易摩擦の激化がかなり深刻化した場合、景気やインフレへの悪影響を含め、貿易に絡んだ問題に対し、FRBは適切な金融政策を示さなければならなくなる」と指摘している。
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