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6月FOMC議事録、インフレ加速懸念示す―年内4回利上げ強調
2018-07-06 14:58:00.0
<チェックポイント>
●利上げペースは19年まで加速しその後はペースダウンするとの認識
●FF金利は19年に中立金利に達するか、超過するとの認識示す
●米貿易政策が経済に悪影響与えると懸念示す
FRB(米連邦準備制度理事会)は5日公表したFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(6月12−13日開催分)で、最近のトランプ米大統領の保護貿易主義の外交政策による世界的な貿易摩擦の激化が米経済に悪影響が及ぶことを考慮しても、米経済はかなり強く、このまま放置すると大きな問題生じるとの判断を示した上で、「ほぼすべての委員は0.25ポイントの利上げ後でもまだ金融緩和スタンスには変わりはない」とも指摘し、大半のFOMC委員が定期的に利上げを継続する必要があると確信していることが分かった。
トランプ米政権による貿易摩擦の景気への悪影響については、「国内企業の多くが米国とその貿易相手国による関税引き上げや貿易制限によって将来の投資活動に悪影響及ぼすと懸念している」とし、米国の貿易政策が原因となる景気下ブレリスクが今後強まり、企業の景況感や投資支出にも悪影響が及ぶとした。しかし、こうした貿易摩擦リスクにもかかわらず、ほぼ大半の委員が徐々にゆっくりした利上げ継続を支持している。
市場では議事録で、さらなる利上げ余地についての議論やイールドカーブ(利回り曲線)のフラット化(長短金利差の縮小)懸念、さらには逆イールドカーブ(長短金利の逆転)でリセッション(景気後退)のリスクが高まり、その結果、利上げ余地なくなるかどうかに関心を寄せていた。
利上げ余地については、すでにFRBは6月FOMC声明文で、「FF(フェデラル・ファンド)金利は長期見通しの水準(2.9%)を当分の間、下回る可能性が高い」という、これまでFRBの金融緩和スタンスの継続を示唆してきた文言を削除している。今回の議事録では、この文言の削除の理由について、「現在の米経済の強さと金融政策の今後の先行きを考えた結果だ」としている。これは米経済がかなり強い状態にあるため、FRBは6月会合で、15年12月以降で7回目となる追加利上げを実施した結果、政策金利であるFF金利が中立金利(インフレ圧力を高めることなく安定成長を可能にする短期金利の水準)に近づいたことや、近い将来、中立金利を上回る可能性が出てきたからだ。
中立金利は金融政策が目指すべきといわれるもので、中立金利に達する時期を見ることで利上げ余地があるかどうかが決まってくる。この点については、「多くの委員はFF金利がこのまま上昇していけば、19年のある時期にFF金利は中立金利に達するか、またはそれを超える可能性があると指摘した」と述べている。
また、最新の経済予測を発表し、その中で、政策金利の引き上げペースの見通し(中心値)について、18年は4回(前回3月予測時点は3回)に加速。19年は3回(同3回)となった。20年は1回(前回は2回)に減速。全体的に利上げは今後3年間続くが、19年まで積極的に行われ20年以降は落ち着く見通し。政策金利の水準についても18年が2.4%(前回は2.1%)、19年は3.1%(前回は2.9%)、20年は3.4%(同3.4%)と、19年と20年に政策金利が中立金利である長期予測を超えると予想している。
議事録ではFRBの利上げペースは、年内はあと2回(9月と12月)、19年は3回という考えには変わりはないことが分かった。しかし、市場では最近、急速に長短金利差のフラット化(2年国債と10年国債の金利差の縮小)が進んでおり、リセッションを暗示する逆イールド(長短金利の逆転現象)の可能性が懸念され始めたことから、利上げペースはFRBの予想通りのペースで進むか疑問視している。
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