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英中銀、金融政策の現状維持を賛成多数で決定―次回8月会合での利上げ公算大
2018-06-22 11:17:00.0
<チェックポイント>
●3委員が利上げ主張―前回は2委員
●4−6月期GDPは回復との見方変えず
●政策金利が1.50%に達すれば資産買い取りスキームの減額開始の考え
イングランド銀行(BOE、英中銀)は21日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、政策金利を現状の0.50%に据え置くと明らかにした。
BOEは17年11月会合で07年7月以来約10年ぶりに0.25ポイントの小幅利上げを実施し、英国のEU(欧州連合)離脱を決めた16年6月の国民投票前の水準に戻したが、同12月会合から政策金利を据え置いており、これで現状維持は5会合連続となる。
今回の会合では、据え置きを支持したのが6人で、インフレリスク重視のタカ派(金融引き締め派)のイアン・マカフィー氏とマイケル・ソーンダース氏の2委員に加えて、これまでインフレに対しハト派(金融緩和派)とみられていたアンドルー・ホールデン氏(BOEのチーフエコノミスト)がタカ派に転向し利上げを主張した。金融政策決定後、市場では8月利上げ観測を一段と強め、ドル・ポンドは朝方の7年ぶり安値水準の1ドル=1.31ポンドから1.32ポンドに上昇した。
また、BOEは資産買い取りスキームを通じた量的金融緩和策(QE)についても全員一致で、国債の買い取り枠を4350億ポンド(約63億円)、投資適格級の社債買い取り枠も100億ポンドと、いずれも現状維持とした。
しかし、会合後に発表した声明文では、資産買い取り規模の減額が議論されたことが分かった。それによると、「QE減額は政策金利がおよそ1.50%に達するまで開始しない。以前は約2.00%までとしていた。QE減額は徐々に予見可能なペースで行う」と述べており、QE減額開始のタイミングが早まる可能性を示した。さらに、「もしQE減額で金融環境に悪影響が現れた場合、物価目標を達成するため、政策金利を変更するが、物価目標の達成には不十分と判断した場合には減額規模を修正(抑制)、または、元に戻す可能性がある」とした。
市場では8月2日の次回会合で、BOEは利上げを再開するとの観測を確かめるため、BOEの景気判断に注目していた。これについて、BOEは今回の会合で、「5月経済予測では、MPCは1−3月期GDP(国内総生産)の伸び鈍化は一時的で、4−6月期には回復に向かうと予想したが、概ねこの予想通りに進んでいる」、また、「最近の個人消費に関する経済指標や景況感をみると、その多くが経済は1−3月期に見られた著しく弱い状態から力強く回復していることを示している。雇用も依然堅調だ」とし、強気の景気判断を示し、次回8月会合での利上げに含みを持たせた。
また、BOEはインフレ見通しについても、「5月のCPI(消費者物価指数)は前年比2.4%上昇と、4月と変わらなかったが、目先、インフレは原油価格の上昇やドル高・ポンド安の進行で予想以上に加速する見通しだ。賃金の伸びもこの1年間加速し、雇用市場は依然タイトで、今後、国内の物価上昇圧力が徐々に強まることを意味する」と指摘し、早期利上げを示唆。市場では8月利上げはもとより11月の追加利上げまでも織り込み始めている。
今後の金融政策に見通しについては、BOEはほぼ前回会合時と同様に、「英国経済が最新の5月経済予測通りに推移すれば、継続的な金融引き締め政策はインフレ率を物価目標に持続的に戻すために適切だと判断している」とし、利上げ継続の必要性を強調した。また、「MPCの全員が将来の利上げは徐々にゆっくりとしたペースで小幅な利上げになる可能性が高いということで一致した」と指摘している。
BOEの次回会合は8月2日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




