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金融・経済ニュース

ECB理事会、資産買い入れの年内終了を決定―主要政策金利は据え置き

2018-06-15 09:53:00.0

<チェックポイント>
●資産買い入れは9月末まで月300億ユーロを継続、10月から減額

●政策金利は少なくとも19年夏の終わりまで現状維持

●18年インフレ率見通しを1.7%上昇に引き上げ




 欧州中央銀行(ECB)は14日の定例理事会で、市場の大方の予想通り、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%、下限の中銀預金金利をマイナス0.40%、上限の限界貸出金利を0.25%と、いずれも据え置いた。理事会後に発表した声明文では、「インフレの調整(物価目標に向かって上昇していくこと)が予想通り持続的に進むことを確実にするため、少なくとも19年夏の終わりまで政策金利を現在の水準で維持する」とし、来夏までの金利据え置きの考えを初めて示した。ただ、「もし必要があれば、来夏以降も据え置く」とも指摘しており、利上げ転換は先延ばしになる可能性もある。

 また、市場が注目していた、非伝統的手段である資産買い入れプログラム(APP)による量的金融緩和(QE)のテーパーリング(段階的縮小)については、10月から買い入れ額を現在の月300億ユーロから月150億ユーロに減額し、12月末に純買い入れ額(償還債券の再投資額を差し引いた額)をゼロにし、APPを終了することを決めた。

 市場ではECBが今回の理事会か、または、そのあとの7月26日の理事会のどちらかで、APPのテーパーリングを発表すると予想し、今回の理事会で発表する確率は五分五分と見ていた。利上げ開始時期についても、市場では今年末にAPPを停止したとしてもECBは、利上げは十分な期間を置いてから開始すると言及しているので、最初の利上げは19年後半になるとみている。

 ドラギECB(欧州中央銀行)総裁は理事会後の記者会見で、「理事会はこれまでにインフレの持続的調整はかなり進んだとの結論に達した。長期のインフレ期待が十分抑制される中、ユーロ圏経済の足元の強さや十分な金融緩和によって、純買い入れ額が徐々に減少してもインフレは今後も引き続き物価目標(2%上昇近く)に向かって収束することに自信を持っている」と足元の経済の強さとインフレ調整の進展をAPP年内打ち切りの理由に挙げた。

 ECBは超低金利政策とAPPを通じてユーロ圏経済に十分な流動性を供給することによりインフレ率を物価目標に押し上げるというのが基本的なスタンスだが、これまで早期のAPP打ち切りを阻んでいたのはユーロ圏の景気回復の弱さだった。ユーロ圏の1−3月期GDP(国内総生産)伸び率は前期比0.4%増と、前期の同0.7%増から伸びが鈍化した。しかし、ドラギ総裁は、「これは17年の成長率が高かったため、低く出たベース効果によるもの。最近の経済データは弱いものとなっているが、依然、堅調な伸びが続いている」とし、また、「経済見通しに対するリスクは依然均衡している」と景気の強さに自信を見せている。

 ユーロ圏消費者物価指数(HICP)でみた5月のコアインフレ率は前年比1.1%上昇と緩やかだが、ドラギ総裁は、「基調的インフレ率(消費者物価指数の構成要素に経済指標や金融市場関連指標を加えて算出したもの)はまだ緩やかだが、年末に向かって加速していく。それ以降も経済の拡大に伴って中期的には徐々に加速していく」と楽観的に見ている。それでも、APPの終了はこうしたインフレ調整が予想通り持続的に進むことを前提条件としているため、声明文では、「純買い入れ額がゼロになったあと、もし必要があれば、流動性の潤沢供給や適切な金融政策を維持するため、ECBはAPPによる債券買い入れを長期にわたって継続する」とも述べており、今後のインフレ調整の進展がカギを握るといえる。

 また、ドラギ総裁は今回の理事会で、最新の経済予測(6月予測)を明らかにした。それによると、GDP伸び率の見通しは18年が2.1%増、19年は1.9%増、20年は1.7%増となっている。前回3月予測に比べ、18年は2.4%増から下方修正されたが、19年と20年は変わらずとなった。インフレ率(全体指数)の見通しについては、18、19、20年がいずれも1.7%上昇となり、3月予測に比べ18年と19年は原油価格の上昇を反映して、いずれも1.4%上昇からかなり引き上げられた。20年は変わっていない。

提供:モーニングスター社