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金融・経済ニュース

英中銀、金融政策を賛成多数で維持―2委員は利上げ主張

2018-05-11 10:22:00.0

<チェックポイント>
●4月発表の各種経済指標振るわず

●継続的な金融引き締めはインフレ率を物価目標に戻すため適切との判断維持

●市場は9月会合での0.25ポイント利上げ織り込み始める




 イングランド銀行(BOE)は10日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、7対2の賛成多数で政策金利を現状の0.50%に維持することを決めた。BOEは17年11月会合で07年7月以来約10年ぶりに0.25ポイントの小幅利上げを実施し、英国のEU(欧州連合)離脱を決めた16年6月の国民投票前の水準に戻したが、同12月会合から政策金利を据え置いており、これで現状維持は4会合連続となる。また、BOEは資産買い取りスキームを通じた量的金融緩和策についても、国債の買い取り枠4350億ポンド、投資適格級の社債買い取り枠100億ポンドを、現状維持とすることを決めた。

 量的金融緩和策の現状維持は全員一致だったが、政策金利の据え置きは前回3月会合に引き続き全員一致ではなかった。同日公表された議事抄録では、タカ派(金融引き締め派)のイアン・マカフィー氏とマイケル・サンダース氏の2委員が、「経済の不活発によるたるみ(生産設備や労働力などの余剰)はほぼなくなった。賃金や国内コストは予想された通り加速している。3月にインフレ率が鈍化したのはポンド安による輸入物価の上昇を末端レベルに価格転嫁するペースが遅れただけで、中期的にはインフレ上ブレリスクに変わりはない」とインフレ加速を懸念し、前回同様に0.25ポイントの利上げを主張した。

 BOEは利上げを実施する場合、まず早期利上げ観測を広め、次にタカ派委員に利上げを主張させ、最後に利上げを全員一致で決めるという傾向がある。この流れで行けば、堅調な経済状況を受けて今回の会合で利上げが実施される可能性はかなり濃厚だった。

 しかし、4月に入ると、相次いで弱い経済指標が発表され、当初の利上げ観測は影を潜めた。特に、利上げ観測が後退したのは4月27日に発表された1−3月期GDP(国内総生産)伸び率が速報値で前期比わずか0.1%増と、BOEの予測(同0.4%増)を大幅に下回ったことが響いた。この点について、議事抄録でも「市場では3月中旬以降、今回の会合で0.25ポイントの利上げ確率を約90%も織り込んでいた。しかし、4月中旬以降、その確率は約10%に急低下した」と指摘しており、市場の観測に反するサプライズの利上げは困難だったことが分かる。

 今後の金融政策に見通しについては、ほぼ前回会合時と同様に、「経済予測期間中の過剰需要の見通しは、インフレ率が長期間、物価目標を上回るのを容認することは適切だと判断する度合いを引き下げた。したがって、英国経済が最新の5月四半期インフレ報告書通りに推移すれば、継続的な金融引き締め政策はインフレ率を物価目標に持続的に戻すために適切だと判断している」と利上げ継続の必要性を強調している。

 会合後に発表された声明文では、金融引き締めの継続の必要性の根拠として、前回使われた「経済の不活発によるたるみが着実に解消されてきた」という文言が削除された。議事抄録でも「2月四半期報告書以降、失業率は一段と低下し、2月までの3カ月間で4.2%と、BOEの完全失業率の水準に接近した。2月だけでも4.0%となったことで今後、数カ月、失業率がさらに低下する可能性がある」と指摘している。

 5月四半期インフレ報告書では、金融先物市場が織り込んでいる政策金利の見通しは18年10−12月期が0.70%(前回2月は0.70%)、19年10−12月期は1.00%(同1.00%)、20年10−12月期は1.20%(同1.10%)、さらに21年4−6月期は1.20%になる予想。前回の四半期インフレ報告書に比べると、18年の4−6月期と7−9月期がそれぞれ0.10ポイント拡大。19年はほぼ変わらず、20年は0.10ポイント拡大している。0.25ポイントの利上げを1回として計算すると、18−20年の今後3年間で利上げが3回実施される可能性を示す。これは前回予測と変わっていない。

 一方、市場では、今回、BOEが1−3月期GDP伸び率の上方改定と4−6月期の0.4%増の強気予想を受けて、もし、予想通りに成長率が回復すれば、下期(7ー12月)、早ければ9月会合で政策金利が0.25ポイント引き上げられて0.75%になると織り込み始めた。

 BOEの次回会合は6月21日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社