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FOMC、市場の予想通り政策金利を据え置き―6月利上げの公算大
2018-05-07 09:41:00.0
<チェックポイント>
●インフレ認識を前回の「物価目標下回る」から「物価目標に接近」へ引き上げ
●インフレ見通しも前回の「2%上昇で安定」を削除―インフレ加速にシフト
●年内利上げ3回の想定を維持―4回になるか市場予想は五分五分
FRB(米連邦準備制度理事会)は2日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、市場の予想通り、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を現行の1.50−1.75%のまま据え置くことを全員一致で決めた。
FRBは17年の3月と6月、12月に計3回利上げしたあと、前回3月会合で今年初めて、15年12月以降6回目となる利上げを再開した。今回、FRBは政策金利を据え置いたが、年内に少なくとも、あと2回の利上げを予想する一方で、市場もFRBは強い雇用市場と堅調な経済、さらにはFRBが最も重視するコアPCE(個人消費支出)物価指数の3月データが急加速したことを受けて、次回6月会合で今年2回目の利上げに踏み切るとみている。
FRBは会合後に発表した声明文で、インフレの現状認識について、「インフレ率は全体指数もコアインフレ率も加速し、物価目標の2%上昇に“接近”した」と、前回会合時の「物価目標の2%上昇を下回っている」から文言を加速方向に引き上げた。また、前回使われた「インフレ率は今後数カ月、加速する」との文言を削除した。
インフレ見通しについても、前回声明文で使われた「中期的に物価目標の2%上昇で安定する」との文言に代わって、「インフレ率は中期的にはシメントリック(上下が対称)な2%上昇の物価目標近辺で推移する」とし、「安定する」との文言を削除。インフレ見通しが加速方向にシフトした。
今後の利上げ見通しについては、前回会合時と同様に、「金融政策の徐々にさらなる調整によっても米経済は中期的には緩やかに拡大し、また、雇用市場も強い状況が続く」と見た他、「経済状況が将来、FF誘導金利を徐々に一段と引き上げることを正当化するように進展する」とし、現在、金融緩和状態にある金利水準をゆっくりとしたペースで小幅利上げを継続する考えを示した。加えて、「政策金利はしばらくの間、長期見通しの水準(2.9%)を下回る可能性が高い」との見方も維持。今後の雇用やインフレ率、景気などのデータを見ながら対応していく考えだ。
市場が注目している年内の利上げ回数については、3月の利上げを含めた3回ではなく、4回に加速させるかどうかは五分五分だ。3月コアPCE物価指数の急加速を受けて、一部のアナリストは年内の利上げは3月に続いて6月と9月、12月の年4回になると見ている。
一方、今回の声明文では、前回会合時と同様、「インフレ率はコアインフレ率も引き続き低水準が続いている。ブレークイーブン・インフレ率と呼ばれる、インフレ期待の強さを示す通常の10年国債と10年物TIPS(物価連動債)との利回り格差(スプレッド)は依然低水準で、インフレ期待もほとんど変化していない」、また、「経済見通しに対するリスクはほぼ均衡していると思われる」と述べ、利上げは年3回のゆっくりとしたペースを維持する考えを示したことから、市場では4回との判断は尚早とする見方に分かれている。
今後の景気見通しについては、前回使われた「経済見通しはここ数カ月で強くなった」との文言が削除された。これは4月27日に発表された1−3月期GDP(国内総生産)速報値がGDPの約7割を占める個人消費が急減速したため、季節調整済みで前期比年率換算2.3%増と、前期の同2.9%増から伸びが鈍化したことを受けたもの。しかし、声明文では、「雇用市場は引き続き堅調を維持、経済活動も堅調を維持している」や、「ここ数カ月、雇用の増加は力強く、失業率は低水準が続いている」との文言を維持しており、依然、強い米経済に自信を示している。
次回のFOMCは6月12−13日に開かれる予定。
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