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米1−3月期実質GDPは市場予想上回る前期比2.3%増―民間設備投資と在庫投資がけん引
2018-05-01 10:02:00.0
<チェックポイント>
●個人消費の急減速は一時的―今後は減税効果で回復見通し
●コアPCE物価指数は2.5%上昇、FRBの物価目標2%上昇超える
●6月FOMCでFRBが今年2回目の利上げに踏み切るとの見方強まる
米商務省が4月27日に発表した18年1−3月期実質GDP(国内総生産)伸び率(速報値)は季節調整済みで前期比年率換算2.3%増と、前17年10−12月期の同2.9%増から伸びが鈍化した。しかし、市場予想の同2.0%増やFRB(米連邦準備制度理事会)の長期見通し(5−6年先のGDP潜在成長率1.8%増)を上回る強い結果だった。市場では過去8年間のGDP統計のうち、5年間で1−3月期の伸び率が1年間で一番低く出ていることから、18年1−3月期の低い伸び率は一時的で、4−6月期以降、成長率が加速すると楽観的に見ている。
1−3月期の成長率は17年全体の2.3%増と並び、16年の1.5%増を大幅に上回った。1−3月期を含めた過去4四半期の平均成長率は2.9%増と、トランプ米大統領が選挙公約としていた3%増超の伸びに接近しており、市場では失業率が17年ぶりの低水準(4.1%)と雇用市場が堅調なことや、17年12月に成立したトランプ大統領の1.5兆ドル規模の大規模減税を柱とした税制改革、政府の大規模インフラ投資計画によって景気が刺激され、4−6月期は3%増を超え、18−19年も3%増の成長が続くと予想している。
今回のGDP統計の内訳をみると、GDP全体の約7割を占める個人消費の伸びが前期に比べて急減速し、GDP全体の伸びを抑制した。個人消費は前期比年率換算1.1%増と、前期の同4%増から急減速し、13年4−6月期以来約5年ぶりの低水準。前期が16年4−6月期(3.8%増)以来の高い伸びとなった反動だ。この結果、GDP成長率寄与度も前期の2.75ポイントから0.73ポイントに急低下した。
個人消費を財とサービスに分けると、財支出は同1.1%減(前期は7.8%増)と減少に転じ、GDPの45%を占めるサービス支出も同2.1%増(同2.3%増)に減速した。また、財支出のうち、耐久財支出は同3.3%減(前期は13.7%増)となった。これは自動車販売が同15.1%減(前期は19.1%増)と大幅減となったからだ。一方、非耐久財支出も同0.1%増(同4.8%増)に減速した。これはガソリンが同3.4%減(同0.1%増)、衣料品・靴も同9.0%減(同10.6%増)と大幅減となったことが大きい。
一方、外需をみると、GDP押し上げ要因である輸出は前期の伸び(7%増)を下回る同4.8%増となり、GDP寄与度も前期の0.83ポイントから0.59ポイントに低下した。しかし、輸入の伸び(2.6%増)を上回り、貿易赤字が6459億ドルと、前期より80億ドル縮小したことで、純輸出(輸出額−輸入額)のGDP寄与度は前期のマイナス1.16ポイントから0.2ポイントに上昇し、その分GDP伸び率を押し上げた。
GDPデフレーターは、前期比年率換算で2%上昇と、前期の2.3%上昇や、市場予想の2.2%上昇を下回った。また、PCE(個人消費支出)物価指数も前期比年率換算2.7%上昇と、前期と同じ伸び率となった。ただ、FRBが最も重視しているコアPCE物価指数(値動きが激しいエネルギーと食品を除く)は同2.5%上昇(前期は同1.9%上昇)と、11年以来の高い伸びとなり、FRBの物価目標の2%上昇を超えた。
コアインフレ率が加速したことで、FRB内では17年ぶりの低水準の失業率(4.1%)がいずれインフレを加速させるとするタカ派(金融引き締め派)の主張が今後、一段と強まる見通しだ。FRBは3月に発表したFOMC委員による最新の経済予測で年内3回(3月に利上げしたのであと2回)、19年に3回、20年に2回の利上げを予想しているが、市場では1−3月期のGDP伸び率がFRBの長期見通しを超えたことから6月FOMCで今年2回目の利上げを実施する確率が高まったとみている。
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