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米3月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比10.3万人増―市場予想から大きく下ブレ
2018-04-09 09:28:00.0
<チェックポイント>
●非農業部門雇用者数の下ブレは、建設業と小売業の減少の影響大
●平均時給は伸び加速
●失業率は4.1%―6カ月連続
米労働省が6日発表した米3月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比10万3000人増と、2月の32万6000人増や1月の17万6000人増など過去数カ月の高い伸びから急ブレーキがかかり、市場予想の18万5000人増を大きく下回った。3月については北東部を襲った暴風雪で住宅などの建設現場が閉鎖された他、春物衣料の購入が遅れたとみられていたが、実際、建設業と小売業が減少に転じている。
非農業部門雇用者数の過去3カ月の改定値をみると、2月が前回発表時の前月比31万3000人増から同32万6000人増に上方改定された一方で、1月は前回発表時の前月比23万9000人増から同17万6000人増に下方改定された。17年12月は17万5000人増で変わらなかった。この結果、12−2月の3カ月間で計5万人の大幅下方改定となった。
一方、市場の関心を集めた平均時給は、前月比0.3%増と市場予想の0.3%増と一致。2月の同0.1%増からも伸びが加速。前年比も2.7%増と、2月の同2.6%増を上回り市場予想と一致した。
賃金の鈍化懸念がやや緩和したものの、非農業部門雇用者数の伸びが鈍化し雇用市場に過熱感が見られないことから、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)は今後、積極的な利上げを進めず小幅利上げの慎重なスタンスを維持し、年内4回の利上げは難しいとの見方が大勢だ。
失業率は2月の4.1%と変わらず、2000年12月以来約17年ぶりの低水準が続いているが、市場の強気予想の4.0%にまで低下しなかった。労働市場への参加度を示す労働参加率(軍人を除く16歳以上の総人口で労働力人口を割ったもの)は2月の63.0%から62.9%に低下した。
一方、広義の失業率(狭義の失業者数に仕事を探す意欲を失った労働者数と経済的理由でパート労働しか見つからなかった労働者数を加えた失業率)は2月の8.2%から8.0%に低下し、1年前の8.8%を大幅に下回っている。正規雇用をあきらめてやむを得ずパート労働者となった数も2月の516万人から502万人と、4カ月ぶりに減少した。
パウエルFRB議長は3月雇用統計発表後、シカゴで講演し、「米経済と雇用市場は堅調を維持しており、今後も堅調が続く。賃金の伸び率が抑制されてもインフレ率は物価目標の2%上昇に向かって上昇を続ける。失業率は4%を下回る可能性が高い」と述べ、今後も小幅な利上げが必要との認識を示した。ただ、今年の利上げ回数の見通しについては、2月の議会証言で4回もありうると示唆していたが、今回の講演では回数の言及はなかった。
他方、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁は同日の講演で、FRBの利上げ予想のコンセンサスが年内3−4回となっていることは適切との判断を示している。同総裁は6月中旬に地区連銀の中でも別格のニューヨーク連銀の総裁に就任する予定で、発言力も一段と高まるだけに4回に言及した点は注目されるところだ。
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