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金融・経済ニュース

英中銀、現状の金融政策を賛成多数で維持―2委員利上げ主張、市場は5月利上げ織り込む

2018-03-23 09:56:00.0

<チェックポイント>
●インフレ率は短期的には物価目標を上回り続ける

●継続的な金融引き締めはインフレ率を物価目標に引き戻すために適切

●EU離脱協議の進展が今後の経済見通しに最大の影響を及ぼす




 イングランド銀行(BOE)は22日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、7対2の賛成多数で政策金利を現状の0.50%に維持すると明らかにした。BOEは17年11月会合で07年7月以来約10年ぶりに0.25ポイントの小幅利上げを実施し、英国のEU(欧州連合)離脱を決めた16年6月の国民投票前の水準に戻したが、12月会合から政策金利を据え置いている。資産買い取りスキームを通じた量的金融緩和策についても全員一致で現状維持を決めた。

 今回は全員一致で現状維持を決めた前回2月会合と異なり、2委員が0.25ポイントの利上げを主張。経済の不活発によるたるみ(生産設備や労働力などの余剰)が解消し、今後の賃金の伸び加速による中期的なインフレ上ブレリスクに懸念を示した。据え置きが全員一致でなかったことがサプライズとして受け止められ、政策決定発表直後のロンドン外為市場では5月利上げを一段と織り込むかたちでポンド高が進んだ。

 BOEは2月に公表した最新の四半期インフレ報告書で、18−20年の今後3年間で0.25ポイントの小幅利上げが3回実施される可能性を示唆したが、今回の会合結果を受け、市場では18年と19年に2回ずつ計4回の利上げが実施され、政策金利は19年末までに1.50%に引き上げられるとの見方が大勢となった。また、18年の利上げは1回目が5月、2回目は今年後半と予想している。

 同日公表された議事抄録では、「20年初めまで総需要が総供給を上回る過剰需要が続く見通しで、インフレ率は短期的にはやや伸びが鈍化するが、2%上昇の物価目標を上回る」との見解を示した上で、「経済の不活発によるたるみが着実に解消されてきたことで、MPCが長期にわたってインフレ率が物価目標を上回ることを受け入れることが適切だという必要性は低下している」と利上げ継続の必要性を強調した。

 早期利上げが必要な背景には、英国経済が堅調に推移している一方で、インフレ率が物価目標を上回るとの懸念がある。

 市場ではEU離脱協議が順調に進めば、年内に英国のGDP成長率が上方修正される可能性があるとの見方もある。四半期インフレ報告書では、18年1−3月期のGDP伸び率は1.7%増(前回予想時1.5%増)、19年1−3月期は1.8%増(同1.7%増)、20年1−3月期は1.7%増(同1.7%増)、21年1−3月期は1.7%増となっている。

 ただ、堅調な経済見通しも19年3月のEU(欧州連合)離脱後の移行期間中にEUとの貿易協議を含む将来の関係について何らかの最終合意に達することが前提となっている。もしEU離脱協議で自由貿易協定の締結について何も合意が得られなかった場合、英国経済への打撃が懸念されるからだ。BOEは議事抄録で、経済やインフレの見通しのリスク要因として、前回会合時と同様、「EU離脱協議の進展が今後の経済見通しに最大の影響を及ぼす」としている。

 インフレ率は1月が3.0%上昇、2月は2.7%上昇と、物価目標(2%上昇)をオーバーシュートしているが、BOEはインフレ見通しについて、前回会合時と同様、「CPIで見たインフレ率は予測期間中、2%上昇の物価目標に徐々に低下していく」との文言を維持。その上で、「短期的にはインフレ率はやや伸びが鈍化するが、2%上昇の物価目標を上回る見通し。一方で国内の物価上昇要因が高まってくる」とし、「MPCのコンセンサス予測の2年目(19年Q4で2.2%上昇)と3年目(20年Q4で2.1%上昇)は物価目標をまだ上回る状態が続く」との見方を示している。

 BOEの次回会合は5月10日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社