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英国のEU離脱第2段階協議(1)―英国内の残留・離脱両陣営の了解を得る策を模索
2018-03-19 14:03:00.0
EU(欧州連合)との第2段階協議で、メイ英首相は再び北アイルランド国境問題をめぐって新たな決断に迫られている。これは、アイルランド(EU加盟国)が2月6日に、英国のEU離脱交渉がノーディールに終わった場合(EU関税同盟に加わらない場合)、EU離脱後、北アイルランドに対しEU関税同盟・単一市場のルールの適用を認めるとした英国とEUの第1段階協議での合意(「EU規制ルールの完全合致」)を英国のEU離脱法に規定するよう要求していることが分かったからだ。もともと、英政府は北アイルランドに自治権を与えており、北アイルランド自治政府が独自の権限でEUルールの合致を決めることができ、また、アイルランドとある程度の関税取り決めを結ぶことで国境問題は解決されるとみていたが、アイルランド政府がEU規制ルールの完全合致実現の保証を求めてきたことで、英政府は思惑が外れた格好だ。
南北アイルランドの国境問題は、EUが英国に対し“第3の選択肢”を離脱合意文書に盛り込むよう要求して意見が平行線となっている。EUのブレグジット首席交渉官であるミシェル・バルニエ氏は2月9日、英紙ガーディアンに対し、「英国は真実を伝えることが大事だ」と語り、その上で、「英国がEU離脱後、関税同盟と単一市場を離れれば、国境検査は避けられなくなるということ。第2に英国はアイルランドの特殊事情を考慮した特別の解決策を示すことを約束している。我々は解決策を待っている。そうでないなら、第3の選択肢は現在も未来も北アイルランドに対し関税同盟と単一市場のルールを合致させ続けることだ」とした。
さらに、同氏は、「それが南北アイルランドの協力関係やアイルランド全体の経済、グッドフライデー合意(98年4月10日に英国とEU加盟国のアイルランドの間で結ばれた、英国の北アイルランド6州の領有権主張を認める和平合意)を支えることを可能にする。この第3の選択肢を離脱合意文書に盛り込むことがどんな状況になろうともハードボーダーを設けないことを保証するためには必要だ」と述べている。
また、英国がEUから言われているのは、第3の選択肢を離脱合意文書に盛り込む一方で、サンセット条項(見直し条項)も入れ、もし、EUと“寛大な”自由貿易協定が結べることができるか、あるいは思いもよらぬ解決策が見つかった場合、第3の選択肢を将来の時点で無効にするという考え方だ。これは英国とEUが第1段階協議で合意した移民問題の紛争処理で欧州司法裁判所(ECJ)の判断を8年間優先することで移民問題を解決できたように、期限を定めることで英国内の残留支持と離脱支持の保守党や閣僚の双方から了解が得られるという手法だ。英放送局BBCのローラ・クエンスバーグ政治部デスクは2月5日の電子版で、「これ(移民問題の解決)が前例となり、今後のEUとの第2段階協議の問題を乗り越えられる」と指摘する。
提供:モーニングスター社




