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米2月コアCPI、前月比0.2%上昇に鈍化―利上げ圧力弱まる
2018-03-14 09:46:00.0
<チェックポイント>
●新・中古車や携帯電話料金の下落で伸び減速
●CPI全体指数はガソリン価格の下落が響く
●FRBの年内利上げ3回以上の懸念後退
米労働省が13日発表した2月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.2%上昇と、前月の0.3%上昇から鈍化した。市場予想とは一致したが、統計発表直後、ニューヨーク外国為替市場ではFRBによる利上げペースの加速観測が後退し、ドル・円は下げ足を速めた。
コアCPIが前月比で鈍化したのは、新車・中古車の価格がそれぞれ0.5%低下・0.3%低下となったことが大きい。これは17年末のハリケーン被害でテキサス州とフロリダ州で自動車の買い替え需要が一時的に強まった反動や消費者需要が弱まったためだ。また、携帯電話サービス会社間の料金値下げ競争が激しい携帯電話料金は0.5%低下(前月は0.2%低下)と、下落幅が拡大した。
それとは対照的にレンタカーや自動車保険などの運輸サービスが1.0%上昇(同0.8%上昇)と、伸びが加速した。運輸サービスのうち、特に自動車保険が1.7%上昇(同1.3%上昇)と、高い伸びとなった。最も大きいウエート(CPI全体の40%超)を占める賃貸住宅の家賃やホテル宿泊料などの「シェルター」価格(家賃・宿泊費)は0.2%上昇(同0.2%上昇)、シェルター価格を構成する帰属家賃(OER:持ち家でも借家と同様に住宅サービスを受けているとして家賃で評価したもの)は0.2%上昇(同0.3%上昇)だった。ちなみにシェルター価格の前年比は3.1%上昇(家賃は3.1%上昇、OERも3.1%上昇)となっている。
また、CPI全体指数(季節調整後)は、1月の0.5%上昇から0.2%上昇へと鈍化した。主にガソリン価格が0.9%低下(1月は5.7%上昇、17年12月は0.8%低下)と再び減速に転じたことが響いた。この結果、エネルギー全体の価格も0.1%上昇(1月は3.0%上昇)に、重油も3.6%低下(1月は9.5%上昇)に急減速している。
9日に発表された2月雇用統計における賃金上昇率の鈍化に加え、今回のコアCPIの減速で、FRB内のハト派(景気過熱リスク重視の金融緩和派)とタカ派(インフレ重視の金融引き締め派)の主張が拮抗し利上げに慎重にならざるを得なくなる。市場では、20−21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)における利上げをすでに織り込んでいるものの、一部で年内の利上げは3回以上という見方が後退している。
コアCPIの前年比では1.8%上昇と前月の1.8%上昇から変わらなかった。市場予想の1.9%上昇を下回ったものの、FRBの物価目標(2%上昇)に近い水準を維持しており、デフレ脱却の強い兆しを見せている。また、市場の一部ではこれまでCPIの伸びを抑制してきた携帯電話サービス料金の値下げ競争の影響が3月以降は弱まるため、3月のコアCPIが2.1%上昇に加速するとの見方が出始めている。これは携帯電話料金が17年2月ごろから値上がりし、値引きによる下落サイクルから抜け始めているからだ。コアCPIの季節要因を無視できる前年比の伸びも1.8%上昇と1月と変わらなかった。
一方、CPI全体指数の前年比は2.2%上昇と、1月の2.1%上昇から伸びが加速した。これは全体指数のうち、エネルギー全体が7.7%上昇(1月は5.5%上昇)、このうちガソリンが12.6%上昇(同8.5%上昇)、重油は20.7%上昇となったからだ。ただ、依然として17年2月の2.7%上昇からは減速したままだ。
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