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米2月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比31.3万人増―市場予想を大幅に上回る
2018-03-12 09:58:00.0
<チェックポイント>
●非農業部門雇用者数、製造・建設・サービス業の急増が全体をけん引
●平均時給は前年比2.6%増と1月から鈍化―インフレ圧力弱まる
●失業率は5カ月連続で4.1%
米労働省が9日発表した2月雇用統計での非農業部門雇用者数は前月比31万3000人増となり、16年7月以来約1年半ぶりの高い伸びとなった。また、市場予想の同21万人増を約10万人も上回った。
非農業部門雇用者数の過去3カ月の改定値は、1月が前回発表時の前月比20万人増から同23万9000人増に、12月も同16万人増から同17万5000人増にいずれも上方改定された。11月は21万6000人増で変わらず。
過去3カ月間(17年12月−18年2月)の月平均は24万2000人増となり、前回1月雇用統計時点の21万人増を上回り、伸びが急加速した。また、17年の月平均18万1000人増や16年の19万5000人増を上回っている。
失業率は前月の4.1%と変わらず、市場予想と一致した。2000年12月以来約17年ぶりの低水準が続いており、足元の経済がしっかりしていることを示した。
また、労働市場への参加度を示す労働参加率(軍人を除く16歳以上の総人口に占める労働力人口の割合)は前月の62.7%から63.0%に上昇し、17年9月以来5カ月ぶりの高水準となった。
ただ、平均時給(全従業員データ)は前年比2.6%増と市場予想の2.9%増や1月2.8%増を下回っており、強い雇用環境にもかかわらず、個人消費の見通しの判断材料となる賃金上昇率は低迷した。1月は企業が深刻な労働者不足の中、労働者を競って確保しようと賃金を引き上げたうえ、全米18州で最低賃金が引き上げられたことによる面もあるが、一過性の可能性が出てきた。低失業率で健全な経済状況でみられる3.5−4.0%増を下回っており、1月CPI(消費者物価指数)実績(前年比2.1%上昇)を考慮すると、実質0.5%増と、まだ賃金の伸びは弱いままだ。一方、週平均労働時間は34.5時間と、前月の34.4時間から増加し、市場予想の34.4時間を上回った。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は2月27日の議会証言で、「雇用市場は依然強く、個人消費も堅調で賃金の伸びも加速しており、米経済は着実に拡大している」との認識を示した上で、18年の利上げペースについても3回、または4回もありうることを示唆したほど、米経済が強い状態にある。市場でも18年は4回の利上げが大方の予想となっているが、今回の雇用統計で賃金上昇率が低迷しインフレ上ブレ圧力が低下したことからFRBが利上げにやや慎重になるとの見方も出てきた。
また、今後、FRB内でハト派(景気リスク重視の金融緩和派)が勢いづく可能性がある。ハト派の急先鋒とみられているエバンス・シカゴ連銀総裁は2月雇用統計発表後、米経済専門チャンネルCNBCのインタビューで、「年央まで利上げを待つべきだ」と述べ、3月の利上げに否定的な考えを示した。
新たな懸念材料も出てきた。トランプ米大統領が8日、外国から輸入される鉄鋼とアルミニウムにそれぞれ25%と10%の高率関税を適用し輸入制限する大統領令に署名したことだ。米貿易関連調査会社トレード・パートナーシップ・ワールドワイドは7日発表したリポートで、今回の関税適用で鉄鋼・アルミニウム業界では3万3464人の雇用増がある一方で、自動車や金属製品加工など他の産業で17万9334人の雇用が減少し、差し引き約14万6000人の雇用が失われる、と指摘しており、今後、米国の雇用に打撃が及ぶ恐れがある。
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