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金融・経済ニュース

ECB、QE政策から緩和バイアス削除―主要政策金利は据え置き

2018-03-09 09:44:00.0

<チェックポイント>
●「資産買い入れプログラムの規模または期間を拡大する用意がある」の文言削除

●資産買い入れ額は9月末まで継続するもQE打ち切りに一歩近づく

●ユーロ高進行とインフレ鈍化の中、利上げ・QE中止の具体的時期示さず




 欧州中央銀行(ECB)は8日の定例理事会で、市場予想通り、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%、下限の中銀預金金利をマイナス0.40%、上限の限界貸出金利を0.25%と、いずれも現状のまま据え置いた。

 ただ、今回の声明文では、

(1)ユーロ圏の商業銀行からのユーロ圏19カ国の国債やABS(資産担保証券)、カバードボンド(担保付き債券)などの買い入れを18年1月から従来の半分の月300億ユーロのペースで9月末まで継続する
(2)18年9月以降の買い入れについても、もし必要があれば、物価目標の達成が確実と判断されるまで継続する
(3)もし、今後、金融情勢が悪化し、インフレ率の物価目標(2%弱)に向けた勢いを持続することが困難になれば、ECBは資産買い入れ規模を拡大し、期間も再延長する用意がある(緩和バイアス)

 ――という17年10月の会合で示していた出口戦略(量的金融緩和からの脱却を目指す戦略)から、上記(3)の緩和バイアスがそっくり削除された。

 市場では、EU(欧州連合)統計局が2月28日に発表したユーロ圏2月HICP(消費者物価指数)速報値で前年比1.2%上昇と1月の同1.3%上昇から伸びが鈍化したことなどから、緩和バイアスの削除はないとの見方が広がっていた。

 ドラギECB総裁は理事会後の会見で、「ユーロ圏経済の好転を受けて、ECBは資産買い入れに関する約束をトーンダウンしても良いという自信が得られた。これは全員一致だった。こうした緩和バイアスの実行が必要となるような不測の事態は、もはやあり得ない」とした。

 欧州の為替市場では、景気刺激のためのQE政策の打ち切りに向け一歩近づいたと捉えられ、声明文の発表直後、ユーロが対ドルで一時急伸した。

 ECBは早期の利上げやQE打ち切りについては先送りし、慎重に金融緩和策を縮小していくとみられる。声明文では依然として、「主要政策金利を長期にわたって維持する」、「資産買い入れは物価目標の達成が確実と判断されるまで続ける」といった前回会合時と同じ文言が残されている。

 しかし、市場ではユーロ圏の堅調な経済情勢を背景にECBは景気に配慮した金融緩和政策から早期に脱却するとの思惑がくすぶり続けているのも事実だ。ユーロ高問題が再浮上しており、ユーロ高によって輸入物価が抑制され、インフレが加速しないというジレンマにECBが悩まされることになるからだ。ECB内の独中銀を中心としたタカ派(金融引き締め支持派)による早期利上げやQE打ち切りによる出口戦略への転換にブレーキをかける可能性がある。

 次回の理事会は4月26日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社