youtube fund_beginer fund_search fund_look

金融・経済ニュース

英中銀、金融政策を現状維持―早期利上げ示唆し市場は5月利上げ織り込む

2018-02-09 10:50:00.0

<チェックポイント>
●BOE、インフレ率は短期的に物価目標を上回り続けると判断

●英経済順調なら、早期利上げ・利上げ幅拡大の可能性も

●今後の利上げは徐々に小幅で実施するとの判断は維持

 イングランド銀行(BOE=英中銀)は8日の金融政策委員会(MPC)で、政策金利を全員一致で現状通りの0.50%を維持することを決めた。BOEは17年11月会合で07年7月以来約10年ぶりとなる0.25ポイントの小幅利上げを実施し、英国のEU(欧州連合)離脱を決めた16年6月の国民投票前の水準に戻したが、前回17年12月会合で政策金利を据え置いた。現状維持は2会合連続となる。

 また、BOEは資産買い取りスキームを通じた量的金融緩和策についても、国債買い取り枠4350億ポンド、投資適格級の社債買い取り枠100億ポンドと、全員一致で現状維持を決めた。

 BOEは現状維持を決めたものの、会合後に公表した議事抄録では、この日同時に発表しれた最新の2月四半期インフレ報告書に基づいて、将来的には想定よりも早期の利上げが必要になるとの見方を示した。

 議事抄録では、「(四半期インフレ報告書の)経済予測期間中(18年から21年1−3月期まで)、過剰需要の状態が強まる見通しであることや、インフレが物価目標(2%上昇)を上回り続けるとの見通しで、物価目標の達成と雇用・経済のどちらかを犠牲にしなければならないというトレードオフのリスクがかなり弱まった。従って、インフレを持続的に物価目標に近づけるような金融政策にシフトすることが適切だ」と指摘。その上で、「MPC(金融政策委員会)は、経済が四半期インフレ報告書の予測通りに進めば、17年11月の前回会合時に想定したよりもやや早期に、また、やや大きな度合いの金融引き締め政策が必要になる」と述べている。ただ、前回会合時と同様に、「今後の利上げは徐々にゆっくり、小幅で実施する」との判断は維持した。

 金融政策発表後、英国の金融市場ではポンドが急騰し、BOEはこれまでの18年暮れごろの再利上げ予想から早ければ5月にも再利上げを実施し、18年中に0.25%の小幅利上げを2回実施する確率を70%に織り込んだ。一方、BOEは2月四半期インフレ報告書で、18−20年の今後3年間で、0.25ポイントの利上げが3回実施される可能性を示唆したが、市場はそれよりも利上げペースが加速すると予想している。

 四半期インフレ報告書では、金融先物市場が織り込んでいる政策金利の見通しは18年10−12月期に0.70%、19年10−12月期に0.90%、20年10−12月期に1.00%、さらに21年1−3月期には1.20%と予想しており、17年11月に発表された前回の四半期インフレ報告書に比べると、全体の利上げ幅が0.15ポイント拡大している。

 早期利上げが必要な背景には英国経済が堅調に推移している一方で、短期的にはインフレ圧力が強まるとの懸念がある。英国経済は17年10−12月期のGDP(国内総生産)伸び率が前期比0.5%増と、前期の同0.4%増を上回ったことから、スイス金融大手UBSは18年の英国の成長率見通しを1.4%増(前回予想時1.1%増)、19年も1.2%増(同1.1%増)に上方修正しているほどだ。

 BOEも議事抄録で、「四半期インフレ報告書では、英国のGDP伸び率の見通しについて、経済予測期間中、平均で1.75%増になると予想している。予測では金融先物市場で織り込まれている金利水準の上昇やポンド高が前提条件となっているものの、前回17年11月予想時点よりもやや高めとなった」とし、景気見通しを上方修正している。

 ただ、堅調な経済見通しも19年3月のEU(欧州連合)離脱後の移行期間中にEUとの貿易協議を含む将来の関係について何らかの最終合意に達することが前提となっている。もしEU離脱協議で自由貿易協定の締結について何も合意が得られないノーディールに終わった場合、英国経済への打撃が懸念されるからだ。BOEは議事抄録で、経済やインフレの見通しのリスク要因として、前回会合時と同様、「EU離脱協議の進展が今後の景気・インフレ見通しのリスクになる」としている。

 BOEの次回会合は3月22日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社