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金融・経済ニュース

ECB理事会、主要政策金利の現状維持を決定―資産買い入れ中止議論されず

2017-12-15 09:25:00.0

<チェック・ポイント>
●資産買い入れは物価目標の達成厳しくなれば規模拡大と期間延長を検討と指摘

●ドラギECB総裁、QE中止に否定的―ユーロ売り優勢に

●ECB、20年のインフレ率見通しを物価目標下回る1.7%上昇と予想




 ECB(欧州中央銀行)は14日の定例理事会で、市場の予想通り、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%、下限の中銀預金金利をマイナス0.40%、上限の限界貸出金利を0.25%と、いずれも据え置いた。 また、前回10月会合で非伝統的手段である資産買い入れプログラム(APP)による量的金融緩和(QE)の規模縮小とQEの実施期間の18年9月までの延長を決めた内容も維持することを決めた。

 ECBは前回会合で、景気を刺激しインフレ率を物価目標にまで高めることを狙って(1)ユーロ圏の商業銀行からのユーロ圏19カ国の国債やABS(資産担保証券)、カバードボンド(担保付き債券)などの買い入れを18年1月から従来の半分の月300億ユーロのペースで18年9月末まで継続する(2)18年9月以降の買い入れは、もし必要があれば、物価目標の達成が確実と判断されるまで継続する(3)今後、金融情勢が悪化し、インフレ率の物価目標(2%弱)に向けた勢いを持続することが困難になれば、APPの規模を拡大し、期間も再延長する用意がある――とし、出口戦略(QEからの脱却を目指す戦略)に慎重な考えを示している。

 最近のユーロ圏の雇用増加やECBによる超低金利の長期化を背景に、市場はドラギECB総裁がドイツ中銀などタカ派の理事からの圧力などを受けて政策金利の微調整(小幅利上げ)や18年から資産買い入れの段階的中止などの金融政策のガイドラインの変更を示唆するのではないかとみていた。しかし、今回、会合後に発表された声明文では、「主要政策金利を長期にわたって維持する」、「資産買い入れは物価目標の達成が確実と判断されるまで続ける」と前回会合時と同じ文言が使われていた。

 最新の12月四半期経済予測も公表された。その中でユーロ圏の18年のGDP(国内総生産)伸び率を前回9月予想時点の1.8%増から2.3%増に上方修正。19年は1.9%増(前回は1.7%増)、今回予測から初めて予想された20年は1.7%増とした。インフレ見通しについては、来年は1.2%上昇から1.4%上昇に引き上げているが、19年は1.5%上昇と変えていない。特に市場の注目を集めていた20年のインフレ率見通しは1.7%上昇と予想されたが、アナリスト予想の1.7−1.8%上昇の下限で、ECBは20年になってもインフレが物価目標(2%弱上昇)まで加速しないと見ているようだ。

 市場ではこれまでの量的金融緩和で2.55兆ユーロの資産が買い入れられたが、一向にデフレ脱却ができないことから、20年のインフレ率の予測値がかなり低ければ、量的金融緩和とインフレ加速との相関関係を重視している今の政策を断ち切り、QEの段階的中止が議論されるとの思惑があった。

 しかし、これについて、ドラギ総裁は会合後の会見で、「QEの打ち切り時期や、QEとインフレ加速との相関関係を重視する政策の打ち切りについての議論は全くなかった」と否定している。

 前回10月会合後の会見で、ドラギ総裁は、QE規模の縮小について、「今回の決定はQEの調整、つまりダウンサイジング(規模縮小)であり、QEがいつか打ち切られることを意味するテーパーリング(段階的縮小)ではない。18年9月にいきなり打ち切られるわけではない」と述べ、QEがオープンエンド(無期限)であることを強調した。これは市場ではテーパーリングと呼んでいることに抵抗感を示したものだ。しかし、市場では今回のECBの決定をダビッシュ・テーパーリング(QE穏健離脱)とみなしている。

 、今回の会見でドラギ総裁がQE中止に否定的な発言を示したことから、ユーロは対ドルで、政策決定発表直後のユーロ買いから逆にユーロ売りが強まった。

 次回の金融政策決定会合は18年1月25日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社