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米7−9月期実質GDP、前期比年率3%増と堅調維持
2017-10-30 09:05:00.0
<チェックポイント>
●ハリケーン災害でも市場予想上回り堅調維持
●個人消費は伸び悩むも民間設備投資と民間在庫投資の拡大がGDPを押し上げ
●大方のエコノミストは10−12月期の成長率を2.7%増と予想
米商務省が27日発表した17年7−9月期の実質GDP(国内総生産)・速報値は季節調整済みで前期比年率換算3.0%増と、4−6月期の3.1%増(3.0%増から上方改定)をやや下回ったが、3年ぶりに2四半期連続で3%増を維持した。依然として16年7−9月期の2.8%増以来の高い伸びを維持しており、17年1−3月期の1.2%増から着実に回復していることを示した。また、市場予想の2.4%増を大幅に上回った。
市場では9月に米南東部を襲った大型ハリケーン(ハービーとイルマ)災害の影響で7−9月期GDPは0.5ポイント低下すると予想していたが、それにもかかわらず3%増となったことは、ハリケーンの今後の成長率に与える悪影響は当初懸念されたほど続かないということを意味する。
7−9月期GDPの内訳をみると、GDP全体の約7割を占める個人消費は4−6月期に比べ伸びが鈍化し、GDP押し上げ要因である輸出の伸びも鈍化した。その一方で、企業の設備投資が4−6月期に比べやや伸びが鈍化したものの高い伸びを維持し、また、企業在庫投資が大幅増となったことでGDPが押し上げられた。
個人消費は前期比年率換算2.4%増と、4−6月期の同3.3%増を下回り、GDP成長率寄与度も同2.24ポイントから1.62ポイントに低下した。これは全体のGDP(3%増)の54%にとどまったことを意味する。13−16年の個人消費の伸びは平均3.2%増なので、かなり減速したといえる。
民間設備投資は同8.6%増と、4−6月期の同8.8%増をやや下回ったものの、依然として高い伸びを示した。
住宅投資も大型ハリケーンの被害と建築用地や労働者の確保が難しく同6%減と、4−6月期の同7.3%減からやや減少幅が縮まったが、依然として2四半期連続で減少が続いており、GDP寄与度もマイナス0.24ポイント(4−6月期はマイナス0.3ポイント)となった。
輸出は4−6月期の同3.5%増を下回る2.3%増にとどまり、GDP寄与度も4−6月期の0.42ポイントから0.28ポイントへ低下した。しかし、輸入が輸出を下回り、貿易赤字が5955億ドルと、4−6月期より200億ドル縮小したことで、純輸出(輸出額−輸入額)のGDP寄与度が0.21ポイントから0.41ポイントに上昇しGDPを押し上げた。
実質の企業在庫投資の変動額も企業が強い需要を見越して積極的に在庫を積み増したことから前期比年率換算で4−6月期の55億ドル増から358億ドル増に急増した。
インフレ動向を示し名目GDPから実質GDPを算出するときに使われる物価指数であるGDPデフレーターは、前期比年率換算で2.2%上昇と、4−6月期の1%上昇や市場予想の1.8%上昇を上回り、インフレの加速傾向を示した。また、PCE(個人消費支出)物価指数も前期比年率換算1.5%上昇と、4−6月期の同0.3%上昇を上回った。FRBが重視しているコアPCE物価指数(値動きが激しいエネルギーと食品を除く)も同1.3%上昇(4−6月期は同0.9%上昇)も加速した。
一方、17年1−9月のGDPは2.4%増となった。13−16年の実質GDPの平均値2.3%増をやや上回ったが、ドナルド・トランプ米大統領が選挙公約としていた4%超の伸びには程遠いことに変わりはない。
また、エコノミストの大方も10−12月期の成長率は2.7%増を予想しており、17年全体の成長率はこのまま3%増が持続するとは予想していない。AP通信によると、英コンサルティング会社キャピタル・エコノミクスの米チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏は、17年GDP見通しは2.1%増、18年はトランプ大統領が減税を実施しても2.5%増、さらに19年はFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げが響いて1.5%増に伸びが鈍化すると予想している。ちなみに、FRBの最新の経済予測では2.2%増だ。
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