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英国のEU離脱交渉、前進には独仏首脳による直接介入が不可欠
2017-09-22 09:27:00.0
英国のデービッド・デービスEU離脱担当相は8月末に3回目のEU離脱協議が終了したあと、9月3日に放送された英BBCテレビのトーク番組に出演した。同相は、「離脱交渉では、EUは英国が手切れ金を支払うと言うまでテコでも動かないという姿勢を貫き通した。それで協議を長引かせ、挙句には協議終了後、EUのミシェル・バルニエ首席交渉官が『何の進展もなかった』と記者会見で発言するのは実にふざけている」と怒りを露わにした。
英国は9月25日からEU(欧州連合)と離脱協議を再開する。6月19日に開かれた1回目の協議から、これで4回目の会合となる。しかし、これまで3回の協議が行われたにもかかわらず、英国はEUの高飛車で非妥協的な態度に阻まれ、次のステップとなる自由貿易協定の協議に移行できないでいる。EUが次の段階に移るための絶対条件としているEUへの手切れ金の支払いやEU市民の在留権、アイルランド国境管理の3つの優先課題で何一つ合意に達していないからだ。EUはまるで英政府にハードブレグジット(EU市場への自由なアクセスの大半を失う強硬離脱)の選択を迫っているようにさえ見える。
こうしたEUの非妥協性については、英保守党のウィリアム・ヘイグ元党首も怒り心頭に発した。8月28日付のテレグラフ紙への寄稿文で、「離脱交渉の成功を妨げているのは、政策を変更しようとしないEUの伝統的な柔軟性の欠如だ。柔軟性はEUのモットーではない。英国のEU離脱の大きな理由の一つがEUの柔軟性の欠如だった」と厳しく批判した。さらに、「(10年前の)ギリシャ債務危機当時、東奔西走したギリシャのヤニス・バルファキス財務相はユーロ圏各国の財務相からECB(欧州中央銀行)総裁、そしてドイツのメルケル首相へと次々とたらい回しにされ、結局、『EUの誰と交渉すれば良いのか分からなくなったと嘆き、EUでは誰も責任を持って政策を変更しようとしない非妥協性の壁に直面した』と後日談で語っている」と事例を挙げてEUを非難した。
その上で、ヘイグ氏は、「EUとの将来の関係がどんな風になるのかも分からないのに、手切れ金や移民、北アイルランド国境の問題を解決するなんて不可能だ。EUのバルニエ交渉官はいろいろんな選択肢を目の前に示されてもEU加盟27カ国によって自分の任務が決められており、政策の変更はできないと言っている。EU協議を前進させ加盟国の国益を実現させるためには、今こそ、ドイツやフランスなどの政治のリーダーが(EU官僚に代わって)離脱協議に介入すべきときだ」と言い切る。
EU離脱協議をめぐって閉塞感が漂う中、英政界に嵐が襲った。EU離脱強硬派のボリス・ジョンソン外相(前ロンドン市長)が9月15日、メイ首相に反旗を翻したのだ。ジョンソン外相はテレグラフ紙に同日付で、EU離脱交渉に関する論文を寄稿した。メイ首相が19年3月の英国のEU離脱後に設けられる最大3年間の移行期間に、EUに手切れ金として毎年100億ポンド(約1.5兆円)、3年間で計300億ポンドを支払うという譲歩案をEU側に提案する準備を進めていたからだ。ジョンソン氏はEUに1ペニーも支払う必要がないと強硬に主張した。
その後、メイ首相がジョンソン外相の論文内容を批判したことから、ジョンソン氏は更迭されるか、または自ら外相を辞任するとの観測が政界に広がった。結局、首相官邸が19日にジョンソン氏は閣内にとどまるとの談話を発表し観測を打ち消した。両者の間で何があったのかについて、同日付のテレグラフ紙は、両者が移行期間の最初の1年間、20年までEU予算の英国拠出分として200億ポンドを支払う折衷案で折り合いがついたと伝えた。英国はEU離脱協議が進まない一方で、国内政治の混乱という内憂外患にさらされている。
提供:モーニングスター社




