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金融・経済ニュース

米8月住宅着工件数、前月比0.8%減の118万戸―市場予想上回る

2017-09-20 09:21:00.0

<チェックポイント>
●住宅着工件数、下げ幅は縮小―一戸建ては増加、アパートは大幅減少

●先行指標の8月建築許可件数は7カ月ぶりの高い伸び、アパートが大幅増

●9月住宅着工・建築許可件数、ハリケーンによる人手不足と資材高騰で悪化必至




 米商務省が19日発表した8月住宅着工件数(季節調整値)は、年率換算で前月比0.8%減の118万戸だった。5世帯以上のアパートやマンションなどの集合住宅は引き続き大幅に減少したものの主力の一戸建てが増加したため、7月の同2.2%減から下げ幅が縮小。市場予想の117万戸を上回った。ただ、16年10月に記録した直近ピークの132万8000戸を11%下回っており、健全な着工水準といわれる150万戸のまだ8割程度だ。

 通常、住宅供給不足が深刻化し住宅価格が高騰すれば、住宅業界では住宅供給が増えるという相関関係が見られるが、そうならないのが現在の米国の住宅業界が抱える問題となっている。背景には建築用地の取得費や木材など建築材料費の高騰、労働力不足があり、住宅供給が強い需要に追いつかないのだ。

 今回の8月統計については、月末に米南東部を襲った大型ハリケーン「ハービー」の影響はなかった。ただ、9月初めに襲来したハリケーン「イルマ」の暴風雨や洪水被害を受けたテキサス州とフロリダ州が住宅建築着工地域全体の13%を占めることから、9月住宅着工件数は大幅に減少する見通しだ。ハリケーン被害の影響で、建築労働者の確保が一段と困難になり、建築資材の高騰も予想されるため、着工や建築許可を悪化させることが予想される。

 明るい材料となったのは、過去2カ月のデータが上方改定されたことだ。6月の数値は前回発表時の121万3000戸から121万7000戸へ4000戸(0.3%)、また、7月も115万5000戸から119万戸へ3万5000戸(3%)上方改定された。6−7月の2カ月合計で3万9000戸の上方改定となる。前年比では8月は2.7%増となり、1−8月期累計も前年比2.7%増となった。

 一方、先行指標である8月住宅建築許可件数は前月比5.7%増の130万戸と7月の同3.5%減から増加に転じ、1月以来7カ月ぶりの高い伸びとなった。市場予想の121万2000戸も上回った。また、前年比も8.3%増、1−8月期累計も前年比7.5%増と高い伸びとなった。しかし、内容をよく見ると、5世帯以上のアパートは同22.8%増と急増した一方、一戸建てが前月比1.5%減の80万戸と、2月の83万400戸をピークに低下が続いている。

 8月の着工統計で、住宅市場の供給不足の緩和に寄与する一戸建てが着工件数で増加したが、力不足の感は否めない。一戸建ての建築許可件数が依然として減少傾向にあることも懸念材料だ。現在、中古住宅市場では売り物件がかなり減少し、品薄感が強まっている。その一方で新築住宅の価格も賃金上昇率の6倍以上の急激なペースで上昇している。今後も住宅供給不足が続けば、住宅価格は高止まりし景気全体にも悪影響が及ぶ。

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提供:モーニングスター社