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ECB理事会、主要政策金利と資産買入れスキームの現状維持を決定
2017-09-08 09:34:00.0
<チェックポイント>
●12月以降も必要に応じQEを継続する姿勢を維持
●ユーロ経済、足元強含みも19年は減速見通し―利上げは19年以降との見方大勢
●18年以降のQE縮小方法については10月理事会で決定の見通し
ECB(欧州中央銀行)は7日の定例理事会で、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%に、下限の中銀預金金利をマイナス0.40%に、上限の限界貸出金利を0.25%にいずれも据え置いた。
ECBは金融政策決定会合後に声明文を発表したが、内容を前回7月会合時と全く変えず、「主要政策金利が現在の金利水準で、長期にわたって(for an extended period)、また、資産買い入れスキームの時間軸よりかなり先まで続くものと予想している」と述べている。
非伝統的な金融手段として、ECBがユーロ圏の商業銀行から現在の月額600億ユーロ(約7.8兆円)のペースでユーロ圏19カ国の国債やABS(資産担保証券)、カバードボンド(担保付き債券)などの資産を買い取ることにより景気を刺激し、インフレ率を物価目標にまで高めることを狙った量的金融緩和(QE)スキームの継続についても、「17年12月末まで、必要があればそれ以降も継続する。また、いかなる場合でもインフレの調整が進ちょくし、物価目標に達するまで継続する」とした。さらに、「資産買い入れスキームで買い取った債券の満期が到来しても償還金を再投資することによって買い取り規模を維持する」との方針も改めて示し、市場が注目していた「もし金融市場が悪化し、インフレの調整が進ちょくしない状況になれば、資産買い入れスキームの規模や実施期間を拡大する用意がある」との文言も据え置いた。市場ではこの文言が削除されれば、ECBは金融引き締めに向かうと見ていた。
ECBが現状維持を決めたのは、インフレ率が8月時点で前年比1.5%上昇と、前月の1.3%上昇から伸びが加速したが、まだ物価目標の2%上昇をかなり下回っていることや、引き続き景気刺激の必要性があると判断しているからだ。ドラギECB総裁は理事会後の会見で、17年のユーロ圏の経済成長見通しを従来予想の1.7%増から07年以来10年ぶりの高い伸びとなる2.2%増に上方修正した。しかし、18年の見通しは1.8%増に据え置いており、19年は1.7%増に減速するとし見ていることから、まだ景気を支えていく必要がある。金利水準の変更については、ECBは資産買い入れスキームの終了後としていることから、市場ではECBが利上げに転換するのは早くても19年以降になると予想している。
足元はユーロ・ドルが急ピッチで上昇してきており、ECBにとって懸念材料となってきた。ユーロ高はユーロ圏輸出を弱め、インフレ率を減速させ物価目標の達成を難しくする。ユーロ相場は現在、1ユーロ=1.2ドル近辺で、年初来で約14%上昇している。急いでQE縮小による金融引き締めに向かうことでユーロ高を進めることは望ましくなく、ECBはQEスキーム脱却の詳細ついての言及を遅らせるだろうとの見方があった。しかし、そうした市場の見方に反して、ドラギECB総裁は理事会後の会見で、「早ければ次回10月26日の理事会で、18年以降のQEスキームの調整(縮小)方法を決定する」と発言。ユーロ・ドルは一時1.22ドルと急伸した。
次回の金融政策決定会合は10月26日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




