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米8月雇用統計、非農業部門雇用者数予想下回る前月比15.6万人増に減速
2017-09-04 09:05:00.0
<チェックポイント>
●非農業部門雇用者数、2カ月連続の20万人割れ
●賃金上昇率は鈍化=年内利上げ観測後退
●9月雇用統計で8月の非農業部門雇用者数が上方改定されるとの見方優勢
米労働省が1日発表した米8月雇用統計は、新規雇用者数(非農業部門で軍人除く、季節調整済み)は、前月比15万6000人増と、市場予想の同18万人増を下回った。7月が同20万9000人増から同18万9000人増に下方改定され、2カ月連続で20万人割れとなり、伸びが鈍化した。
1時間当たり平均賃金(全従業員データ)は前月比0.1%増となり、市場予想の同0.2%増、7月の同0.3%増を下回った。賃金上昇率が鈍化したのは、新規に雇用が創出されても低賃金の仕事が多いためで、今後の景気回復の足かせになっていることを示す。一方、前年比では2.5%増となったが、低失業率で健全な経済状況でみられる3.5−4%増を依然として下回っており、インフレ率(7月CPI=消費者物価指数は前年比1.7%上昇)を考慮すると、実質0.8%増と実質賃金の伸びが低く個人消費の抑制要因となる。緩やかな物価上昇に加え、低い賃金の伸びが続けばインフレが抑制されるため、年内の利上げの判断が難しい状況となった。ただ、一部のエコノミストは労働者に半月ごとに賃金が支払われる8月15日以前に今回の統計調査が実施されたため、数値が低く出た可能性もあると指摘している。
失業率は前月の4.3%から4.4%に上昇し、市場予想の4.3%を上回った。労働力人口の伸び以上に失業者が増加したことが主因。失業者の増加は、仕事を探すことをあきらめていた労働者が職探しに向かったものの、仕事を見つけられなかった結果だ。統計上、職探しをあきらめた労働者は失業者として分類されず、反対に働く意思をもって仕事を探すようになれば失業者として分類される。このため、失業者数の増加は、職探しをあきらめた労働者が減少したとみられ、その意味では労働力人口の増加が伴っていることは明るい材料だ。
米8月雇用統計を受けて、ダウ工業株30種平均は1日、前日比0.18%高の2万1987.56ドルで引けた。8月統計は失業率が低水準でも賃金の伸びが緩やかなことを示し、今後も米経済はゴルディロックス(景気後退でもなくインフレ上昇もない適度な経済)の状態が維持されるとの見方を強める結果となり、株式市場にも安心感を与えた。また、8月の非農業部門雇用者数は緩やかな伸びとなったが、政府の雇用統計は夏から秋にかけては正確な原データを集めることが難しいという季節的要因が大きかったとの指摘もあり、多くのエコノミストは来月の雇用統計で8月の非農業部門雇用者数が上方改定される可能性が高いとみている。
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