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7月FOMC議事録:インフレ・利上げをめぐりハト派とタカ派で議論割れ―債券減額の早期化では一致
2017-08-17 14:02:00.0
<チェックポイント>
●インフレ減速が一時的か否かをめぐって議論
●金融緩和政策が株式投資を煽っているかについて議論
●保有債券減額の「やや早め」開始で意見が概ね一致
FRB(米連邦準備制度理事会)は16日に公表したFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(7月25−26日開催分)で、インフレが物価目標(2%上昇)を下回って減速しインフレ期待も変わっていない中で、今後の利上げ時期をめぐって委員の見解が景気リスクを重視しもう一段の景気刺激を求めるハト派(金融緩和派)と景気バブルに配慮する、いわゆるインフレリスク重視のタカ派(金融引き締め派)に分かれていたことが明らかになった。
議事録では、インフレをめぐる議論について、「複数の委員が最近のインフレ率の減速に懸念を表明した」とした上で、「現状ではまだ追加利上げを決めなくても大丈夫だ。最近の低インフレが長く続かず一時的なもので、物価が今後数カ月以内に加速するという見通しが一段と明確になるまでは利上げは遅らせるべきだ」とし、利上げに慎重な考えが示された。
一方、他の複数の委員は、「雇用市場が(失業率が16年ぶりの低水準の4.3%にまで低下し)完全雇用の状態にあり、今後も金融緩和に助けられて一段とタイトになる」とし、「利上げを遅らせばインフレ率が物価目標をオーバーシュートするリスクが高まり、そうなれば健全な状態に戻すコストは甚大となり、金融市場の安定を損なうリスクが高まる」と懸念を示した。これは利上げが後手に回れば、インフレ阻止のため急速な利上げが必要となり、その結果、リセッション(景気後退)に陥る恐れがあると警告したものだ。
また、議事録では複数の委員は最近の株価上昇が金融バブルリスクを高めているか、また、FRBの金融緩和政策が株式投資を煽っているかについて議論していたことも分かった。「数人の委員は、好ましいマクロ経済要因(金融緩和の環境)が現在の株価を押し上げていると主張した」と指摘したが、結論的には、「最近の株価上昇は投資家のレバレッジ(借金をして資金を膨らませて投資すること)の拡大によってもたらせたものではなく、したがって目立つほどの金融安定リスクにはならないかもしれない」と楽観的な見方を示している。しかし、市場の一部では株価上昇がバブルに発展する恐れがあると警戒感を強めており、認識にずれがある。
今回のFOMC後の声明文では、保有債券の減額を柱とする出口戦略(量的金融緩和からの脱却を目指す戦略)について、開始時期を前回6月FOMC時の「今年」から「やや早めに」に文言を変更し早期実施派に傾いた。この点について、今回の議事録では、「FOMC委員は、現在の経済状況や今後の見通しから判断して、保有債券の減額をやや早めに開始するというシグナルを市場に送ることは適切だということで意見が概ね一致した」と述べている。また、複数の委員が「7月の会合で具体的な開始時期を用意してきたが、多くの委員は次回9月FOMCで経済見通しや金融市場への影響を判断する材料が集まるまで、開始時期の決定は待つべきだと主張した」としている。
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