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米7月住宅着工件数、前月比4.8%減の115万5000戸=建築許可も減少
2017-08-17 09:09:00.0
<チェックポイント>
●7月の住宅着工と建築許可、前月の大幅増の反動で減少に転じる
●7月アパート着工件数の大幅減少が全体を押し下げる
●7月の一戸建て着工・建築許可低迷で住宅供給不足懸念高まる
米商務省が16日発表した7月の住宅着工件数(季節調整値)は、主力の一戸建てが減少し、5世帯以上のアパートやマンションなどの集合住が大幅に減少したことから、年率換算で前月比4.8%減の115万5000戸と、前月の同7.4%増から減少に転じ、市場予想の121万7000戸も大幅に下回った。
これは4月以来3カ月ぶりの低水準となり、3月に9年半ぶりの高水準となった128万800戸を10%、また16年10月に記録した直近のピークの132万8000戸を13%も下回り、健全な着工水準といわれる150万戸のまだ8割程度にとどまる。6月の大幅増の反動が出たとはいえ、今後の住宅供給不足の悪化が懸念される結果となった。住宅業界は建築業者が建築用地の取得費や木材など建築材料費の高騰、労働力不足に直面し、住宅供給が強い需要に追いつかない状況となっている。
明るい材料は、5月の数値が前回発表時の112万2000戸から112万9000戸へ7000戸(0.6%)上方改定されたことだ。6月は121万5000戸から121万3000戸へ2000戸(0.2%)下方改定されたが、5−6月の合計では5000戸の上方改定となる。ただ、7月の対前年比は5.6%減となり、5−7月の3カ月間の平均も116万6000戸と、前年同期に比べ0.9%減となっている。
さらに、先行指標である7月の住宅建築許可件数も同4.1%減の122万3000戸と、6月の同9.2%増から減少に転じ市場予想の124万7000戸を下回った。ただ、前年比では4.1%増と、前年水準を上回っているが、ここにきて住宅供給が一段落したことを示した。内訳は、一戸建てが前月比横ばいだったのに対し、5世帯以上のアパートは同12.1%減と急減した。通常、一戸建ての場合、建築許可を受けてから6カ月後に着工し、2世帯以上の集合住宅の場合は1年後に着工となり時間差がある。
また、今回の7月統計では、建設中の全体の住宅件数は一戸建てが前月比0.4%増と4カ月連続で増加した一方、5世帯以上のアパートが同0.7%減と5カ月連続の減少となり、前月比0.2%減の106万3000戸と3カ月連続の減少となった。前年水準を3.4%上回っているが、2月の108万戸の水準を下回ったままで、今後の住宅供給には懸念材料となる。一方、完成した住宅件数は一戸建てが同1.6%減、5世帯以上のアパートは同14.9%減と急減したことから、前月比6.2%減の117万5000戸となり、住宅供給が落ち込んだ。ただ、前年比では8.2%増と依然として2−3月並みの高い水準にある。
7月の住宅着工件数の内訳は、全体の7割を占める一戸建ての着工件数が前月比0.5%減の85万6000戸と、前月の同8.2%増から減少に転じた。アパートも同17.1%減の28万7000戸と、16年9月以来の低水準となり、前月の同8.1%増から大幅減となったことから、年初から7月までの全体の着工件数(季節調整前)も前年比2.4%増と、前月時点の同4.0%増から伸びが縮小し、今後の住宅供給にとっては不安材料となった。
7月の低調な着工件数と建築許可件数、特に一戸建てが低迷したことで住宅市場の供給不足を緩和することが難しい情勢だ。現在、中古住宅市場では売り物件がかなり減少し品薄感が強まっている。NAR(全米不動産業協会)の調べでは、7月の中古住宅の販売物件戸数は196万戸で、前年比7.1%減と減少している。このため、新築住宅の価格も賃金上昇率の6倍以上の急激なペースで上昇している。今後も住宅供給難が続けば、住宅価格は高止まりし、住宅取得件や景気全体にも悪影響が及びかねない。
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