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米7月コアCPI、前月比0.1%上昇=4カ月連続で同率の低調な伸び
2017-08-14 08:35:00.0
<チェックポイント>
●CPI全体指数とコア指数、前月比いずれも予想下回る低い伸び
●CPI全体指数とコア指数、前年比各1.7%上昇と、インフレ目標下回る伸び
●FRBによる利上げは年内見送りの公算大
米労働省が11日発表した7月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.1%上昇と、4月以降4カ月連続で上昇となったものの、同率の低い伸びとなり、市場予想の同0.2%上昇も下回り、依然として抑制されていることを示した。
コアCPIが前月比で上昇した最大要因は、アパレルの同0.3%上昇(前月は同0.1%低下)やメディカルケア(処方箋代や病院治療費)の同0.4%上昇(同0.4%上昇)、さらにはCPI全体の40%超を占める賃貸住宅の家賃やホテル宿泊料などの「シェルター」価格(家賃・宿泊費)が同0.1%上昇(同0.2%上昇)となったこと、特に、シェルター価格を構成する帰属家賃(OER、持ち家でも借家と同様に住宅サービスを受けているとして家賃で評価したもの。持家に住んでいる人は自ら不動産業を営み、自ら家賃を支払っていると仮定している)が同0.3%上昇(同0.3%上昇)となったためだ。
これが自動車の0.5%という09年8月以来の大幅低下(同0.3%低下)と携帯電話サービス会社の料金値下げ競争を反映した携帯電話料金の同0.3%低下(同0.8%低下)を相殺した。ちなみにシェルター価格は前年比3.2%上昇(家賃は3.8%上昇、OERも3.2%上昇)と依然として伸びが高く、今後の推移を注視する必要がある。
一方、7月のCPI全体指数(季節調整後)も前月比0.1%上昇(前月は横ばい)と、食品・飲料水の同0.2%上昇(同横ばい)が寄与したが、市場予想の同0.2%上昇を下回った。これは携帯電話料金の引き下げ競争の激化や原油安によるガソリン価格の低下でエネルギー価格が前月の同1.6%低下に続いて同0.1%低下となったためだ。特に、重油は同2%低下(前月は同3.7%低下)となった。
また、コアCPIの季節要因を無視できる前年比の伸びも5月、6月と同率の1.7%上昇となり、5カ月前の2月の同2.2%上昇から減速し依然抑制された状況が続いている。過去10年間の年率平均1.8%上昇も下回り、今後もFRBのインフレ目標(2%上昇)を下回り続ける懸念が強まってきた。CPI全体指数も前年比1.7%上昇と、前月の同1.6%上昇を上回ったものの、依然として5カ月前の2月の同2.7%上昇から急速に減速したままだ。特に、のイエレンFRB議長が指摘したように携帯電話サービス会社の料金値下げ競争を反映した携帯電話料金は前年比13.3%低下と、インフレを抑制し続けている。
コアCPIは3月に前月比0.1%低下となったあと、4月の同0.1%上昇、5月の同0.1%上昇、6月の同0.1%上昇に続いて4カ月連続で同率の上昇となったが、全体的にみると、ディスインフレ(物価上昇率の鈍化)傾向は変わっていない。コアCPIがディスインフレから抜け出し安定した伸びとなるかどうか、FRBの判断にはまだ時間がかかりそうだ。
CPIの伸びが十分、抑制されていることから、今後、FRBは利上げよりも保有債券の減額によるバランスシートの正常化プログラムを一段と強化していくとみられる。利上げについては、年内あと1回、来年は3回と想定されているが、FRBが重視しているコアPCE(個人消費支出)物価指数も2月の前年比2.2%上昇から6月は1.4%上昇へと、CPIと同様に抑制されていることから、FRBは次回9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利を据え置き、年内利上げを見送る公算が一段と強まった。
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