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金融・経済ニュース

ECB、政策金利と資産買い入れスキームを据え置き

2017-07-21 15:04:00.0

 ECB(欧州中央銀行)は20日の定例理事会で、主要政策金利である定例買いオペの最低応札金利を過去最低の0−0.25%、下限の中銀預金金利と上限金利の限界貸出金利もマイナス0.40%と、いずれも据え置いた。

 ECBは金融政策決定会合後に発表した声明文を前回6月会合時と変えなかった。政策金利については「現在の金利水準を長期にわたって据え置くとともに、資産買い入れスキームの時間軸をかなり超えて維持する」と述べている。

 ECBが非伝統的な金融手段としてユーロ圏内の商業銀行から月額600億ユーロ(約7.8兆円)規模のユーロ圏19カ国の国債やABS(資産担保証券)、カバードボンド(担保付き債券)などの資産を買い取ることで景気を刺激しインフレを高めることを狙った量的金融緩和スキームについても、「17年12月末まで、また、必要があればそれ以降も継続することを確認した」と述べている。さらに、ECBは資産買い入れスキームで買い取った債券の満期が到来しても償還金を再投資することによって買い取り規模を維持する方針も変えていない。一方、市場が最も注目していた「金融市場が悪化しインフレの調整が進ちょくしない状況になれば、資産買い入れスキームの規模や実施期間を拡大する用意がある」との文言も据え置かれた。市場ではこの文言が削除されれば、ECBは金融引き締めに向かうと見ていた。

 ドラギECB総裁は6月27日のECB主催の講演会で、ユーロ圏の景気回復の兆候を受けて、「政策手段のパラメーターを調整する」と述べたことから、資産買い入れスキームの段階的縮小や利上げに転換するという観測が市場に流れた。しかし、インフレ率は6月時点で前年比1.3%上昇と、まだ物価目標の2%上昇をかなり下回っていることもあり、引き続き景気刺激の必要性から金融緩和政策を維持することを選択した。欧州経済が回復基調にあり、EU(欧州連合)の行政執行機関であるEC(欧州委員会)はユーロ圏の成長見通しについて、17年が1.7%増、18年が1.8%増と予想しているが、当分は景気を支えていくことになりそうだ。

 ただ、資産買い入れスキームについては、買い入れ可能な債券が不足するなどの問題点が指摘される一方、ユーロ圏で影響力が大きいドイツがユーロの上昇を望む姿勢を示していることから、今後、ECB内で資産買い入れスキームの縮小の議論が強まっていくとみられる。エコノミストの多くは、ECBは18年から同スキームの段階的縮小に入らざるを得なくなると見ている。また、金利水準の変更については、ECBは同スキームの終了後としていることから、アナリストの多くは利上げに転換するのは19年以降になるとみている。

提供:モーニングスター社