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米6月コアCPI、前月比0.1%上昇=インフレ低下傾向でFRB利上げ慎重へ
2017-07-18 08:39:00.0
米労働省が14日発表した6月のCPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.1%上昇と、4月以降3カ月連続で上昇となったものの、市場予想の0.2%上昇を下回り、依然として抑制されていることが分かった。前年比の伸びも5月と同率の1.7%上昇となり、4カ月前の2月の同2.2%上昇から急減速した。
コアCPIが前月比で上昇した最大要因は、コアCPIの中で最も大きいウエート(CPI全体の40%超)を占める賃貸住宅の家賃やホテル宿泊料などの「シェルター」価格(家賃・宿泊費)が同0.2%上昇となったためで、アパレルの同0.1%低下や自動車の0.2%低下を相殺した。シェルター価格は前年比3.3%上昇と伸びが高く、今後の推移を注視する必要がある。
コアCPIは3月に前月比0.1%低下となったあと、4月の同0.2%上昇、5月の同0.2%上昇、6月の同0.2%上昇と、3カ月連続で上昇した。しかし、全体的にみると、ディスインフレ(物価上昇率の鈍化)傾向は変わっていない。イエレンFRB議長は13日の上院銀行委員会の公聴会で、インフレが低下し続けるかの判断は時期尚早としたことから、FRBはコアCPIがディスインフレから抜け出し安定した伸びとなるかどうか判断するには時間がかかりそうだ。
一方、6月のCPI全体指数(季節調整後)も、前月比では横ばい(変化率0.0%)となり、アナリスト予想と一致した。これは、原油安によるガソリン価格の低下でエネルギー価格が同1.6%低下となったためだ。特に、ガソリン価格は同2.8%低下、重油も同3.7%低下となった。また、食品価格が同横ばいとなったことも寄与した。CPI全体指数の前年比も1.6%上昇と、4カ月前の2月の同2.7%上昇から急速に減速している。
CPIの伸びが減速していることから、今後、FRBは利上げよりも保有債券の減額によるバランスシートの正常化プログラムを一段と強化していくとみられる。利上げについては、FRBは年内あと1回、18年は3回を見込んでいるが、今後は利上げ回数が見直され利上げ回数は減少するとみられる。FRB傘下のダラス地区連銀のカプラン総裁も14日、メキシコで開かれた経済界との懇談会で、再利上げに慎重な考えを強調した上で、早ければ9月から4.5兆ドル(約507兆円)に膨らんだFRBのバランスシートの縮小が開始されるとの見解を示した。
イエレン議長は12日の下院金融サービス委員会の公聴会で、ブレイナードFRB理事が11日の講演会で述べた「政策金利の誘導目標の水準について、インフレ圧力を高めることなく安定成長を可能にする短期金利の水準で金融政策が目指すべきとする中立金利(均衡実質金利)に近づいた」との声明文を引用したことから一段とハト派に傾いたといえる。一方、市場では約50%の確率でFRBが年末までにもう1回の利上げを実施すると予想している。
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