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<話題>米FRB、17年から保有債券減額に着手へ―景気・雇用・物価の改善に自信示す(1)
2017-06-16 10:16:00.0
FRB(米連邦準備制度理事会)は14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合で、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を8対1の賛成多数で0.25ポイント引き上げて1.00%−1.25%とすることを決めたが、注目されるのはこれまでの利下げとは違い、今回初めて、出口戦略(量的金融緩和からの脱却を目指す戦略)を一段と進めるため、保有債券の減額に着手すると宣言したことだ。
具体的にはFRBがいわゆる、大恐慌時代(07年12月−09年6月)以降から買い取りを開始したMBS(住宅ローン担保証券)や国債の保有規模を17年暮れごろから徐々に減らしFRBのバランスシートを正常な水準に戻すとしている。
FRBは現在、エージェンシー(政府機関ジニーメイと政府系住宅金融会社)が発行する債券やエージェンシーが保有するMBS(住宅ローン担保証券)、国債を買い取るという資産フローの拡大ではなく、保有するMBSの償還で得られる元本をMBS市場で再投資するか、または、保有国債の期日が到来してもロールオーバー(持ち越し)することによって、すぐには市場に売り戻さず長期保有するという金融資産のストックの維持に重点を置いているが、FRBは金融政策決定会合後に発表した声明文で、「米経済が広範囲にわたって拡大していけば、17年からバランスシートの正常化への取り組みを開始する」と述べている。
FRBは大恐慌以後、米経済を支えるため、債券買い取りによる量的緩和政策(QE)を開始した結果、バランスシートはQE開始前からおよそ5倍に増え4兆5000億ドル(約499兆円)にも上っている。今回、FRBが明らかしたバランスシートの正常化プランの詳細によると、今後、債券の期日が来ても再投資やロールオーバーを徐々に減らしていく方式をとり、最初は月額で国債は60億ドル、MBSは40億ドルを減額し、1年かけて徐々に減額幅を拡大し、最終的には国債は月額で300億ドル、MBSは200億ドルを限度とするとしている。その結果、今後、長期の借り入れ金利の上昇圧力が高まっていくとみられる。
一方、今回の利上げはここ半年間で3回目(今年に入って2回目、15年12月の利上げ開始からは4回目)となる。これはFRBが雇用や景気の先行きに自信を深めていることを示すものだ。事実、FOMC後の会見で、イエレンFRB議長は、「利上げは景気の進展を反映したものであり、物価の安定を維持しながら雇用も最大化に向かっていくと見られる」と指摘している。FRBは年内にもう一度利上げすることを見込んでいるが、時期は明らかにはしていない。
(2)へつづく
提供:モーニングスター社




