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市場の声:今後はOPEC諸国の減産順守などがカギ=フジトミ・齋藤氏
2016-12-01 15:27:00.0
<フジトミ<8740>情報サービス室チーフアナリスト・齋藤和彦氏>
OPEC(石油輸出国機構)は総会で減産を決定したが、価格カルテルとしての存在意義を失わないために是が非でも決める必要があった。もしここで減産を決めなければ、加盟国をつなぎとめることができなかったかもしれない。
国別の減産量を見るとサウジアラビアが負担しているように見えるが、もともとの生産量自体が多いのでそれほど不公平な内容ではないだろう。各国の主張をうまく取り入れたのではないか。ただ、OPEC加盟国の生産量を見ると駆け込み増産を相当行っている。減産実施は来年1月からのため12月もかなりの駆け込み増産が行われそうな点は懸念材料。そもそも過去の減産合意後の動きを見ると、あまり決められた生産枠を順守していない。供給過多が続く可能性は十分ある。
<WTIの上値めどは52ドル近辺か>
今後に関してはOPEC諸国がどれだけ減産を順守できるかに加え、非OPEC諸国の動きが焦点。特にロシアは減産を行うとはするが、どの時点の生産量から減らすと明言しておらず不透明感が強い。また、米国のシェールオイルは零細業者が淘汰され生産コストがWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で1バレル=40ドル程度に下がっており、現在の水準なら増産を行ってきそう。現状では減産効果より供給過多懸念が強く、WTI期近物は10月に付けた52ドル近辺が限度では。下値は45ドル程度とみる。
価格上昇があるとすれば、トランプ次期米大統領の政策だろう。米国では自動車燃料としてエタノールが10−15%使われている。トランプ氏が石油業界を優遇してエタノール燃料を規制するようなことがあれば、WTIは60ドルもあり得る。もっともエタノールの原料コーンは同氏を支持した中西部が生産地の中心。決断のハードルはかなり高い。
提供:モーニングスター社




