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モーニングスター年末特集=アセアン株に反騰ののろし、狙うはベトナム(2)
2015-12-30 19:34:00.0
<16年の狙いはベトナム>
16年に注目すべき国はどこだろうか。アセアン株式市場の動向に詳しい、アイザワ証券・投資リサーチセンターの明松真一郎マネージャーは、ベトナムとインドネシアに注目している。ベトナムが注目される最大の理由は、外国人投資家保有枠の撤廃・緩和の可能性。ベトナムでは、個別銘柄に外国人の出資比率制限が設けられており49%(銀行は30%)が上限となっていたが、15年9月からこの比率を最大100%まで緩和することが可能になったという。判断は各企業に任されているというが、規制の緩和や撤廃が進む公算が大きい。
現時点で外国人持ち株比率が上限に達し、外国人が買うことが出来ない銘柄は、ベトナム最大の通信会社であるFPT情報通信(FPT)や、ベトナム最大の乳飲料メーカーであるビナミルク(VNM)など。ただ、「これらの優良銘柄は(情報公開など)IRがしっかりしており、早ければ16年前半にも上限撤廃・緩和を実施する可能性がある」(明松氏)という。
また、ベトナムでは1月に第12回共産党全国大会が開催される。新たな指導者が選出される見通しで、共産党指導部の若返りにより、改革のさらなる前進が期待されている。ベトナムにはもう1つ好材料がある。それが、TPP(環太平洋パートナーシップ)による恩恵だ。ベトナムは10年3月という比較的早い段階からTPP交渉に参加するなど積極的。TPPによって、価格競争力を持つ、繊維や衣料関連分野が特に恩恵を受けそうだ。こうしたベトナムの積極的な姿勢に遅れを取らないよう、タイやフィリピンも参加の可能性を示しており、ベトナムはアセアン地域活性化のけん引役となる可能性が高い。
<インドネシアも注目>
アセアン域内でもっとも多くの人口を抱え、人口ボーナス期を迎えているインドネシアの成長性は質・量ともにインパクト大。消費関連は引き続き注目され、マタハリ・デパートメント(LPPF)、インドフード・サクセス・マクール(INDF)、唯一の国営通信会社テレコムニカシ・インドネシア(TLKM)がコア銘柄。また、今後5年で発電所、港湾、高速鉄道、高速道路などインフラ整備に総額50兆円規模の計画が控える。インフラ関連では、国営の大手建設会社であるウィジャヤ・カルヤ(WIKA)、セメント製造を手掛けるセメン・インドネシア(SMGR)などに注目したい。
インドネシア政府はこれまでに1−7弾の景気対策を打ち出しているが、実際の効果が表れるのは16年からと見られている。さらなる景気対策が組まれる可能性もあり、そうなれば株価の下支えとして意識されるだろう。資源国であるため、原油安など商品市況の影響を相対的に強く受けるが、インドネシア中央銀行が設定している政策金利は7.5%と高く、景気下支えのための利下げなど金融政策の余地も大きい。
(3)へつづく
提供:モーニングスター社




