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金融・経済ニュース

モーニングスター年末特集=アセアン株に反騰ののろし、狙うはベトナム(1)

2015-12-30 19:33:00.0

 15年のアセアン(東南アジア諸国連合)株式市場は期待とは裏腹に厳しい結果となった。アセアン各国の成長性の高さは疑いようのない事実だが、米国の利上げ懸念、中国株の急落、原油価格の下落など外部環境の影響を大いに受けた年だった。それだけに、市場関係者や投資家は16年の相場復活にかける思いが強いだろう。域内での「ヒト・モノ・サービス」の自由化が進むと期待されるアセアン経済共同体(AEC)の発足も間近で、16年のアセアン株式市場には再び注目が集まりそうだ。反騰ののろしが上がるアセアン株式市場、16年の見通しを探った。

<不調だった15年のアセアン株>

 15年のアセアン中心6カ国(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム)の15年の主要株価指数の騰落率を見てみると、ベトナムのVN指数が前年比3.8%上昇とかろうじてプラスを維持した以外は、フィリピン、マレーシアが1ケタ台の下落、タイ、インドネシア、シンガポールは10%を超える下落となった。同期間の日経平均株価は7.7%上昇、NYダウ工業株30種は1.5%の下落だった。成長期待の高かったマーケットだっただけに、投資家の失望感も強かったようで、アセアン株式への投資熱は現時点で冷め切っているといっても過言ではない。

<ベトナムは4年連続のプラス、多くは前年好調からマイナスへ>

 各市場の暦年の騰落率を見てみると、ベトナムはこのままいけば4年連続で年間プラスパフォーマンス。一方、タイやインドネシア、フィリピンは14年に大きく上昇した後、15年はマイナスに転じる見通し。マレーシアは2年連続のマイナスパフォーマンスと振るわなかった。

<外部環境に好転の兆し>

 15年のアセアン株式市場が低迷した要因は外部環境に拠るところが大きい。米利上げに対する懸念、夏以降の中国経済の減速懸念、原油先物価格の下落をはじめとする商品市況の悪化などだ。ただ、裏を返せばこうした外部環境が好転すれば、アセアン株の復活に期待できそうだ。

 FRB(米連邦準備制度理事会)は12月15−16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)レートを0−0.25%から0.25−0.50%に引き上げ、16年には4回程度の利上げを想定、米利上げに対する先行き不透明感は後退している。ここで過去の米利上げ局面を見てみると、90年以降の米利上げ局面は、94年2月−95年2月、99年6月−2000年5月、04年6月−06年6月の3回。最初の2回はアセアン株式市場の多くが下落したものの、04年6月−06年6月のアセアン株は堅調に推移している。さらに、この期間の利上げ幅、回数はともに過去2回を上回っており、米利上げがアセアン株にマイナスに働くとは直ちに結論付けられない。フィリップ証券・リサーチ部長の庵原浩樹氏は、「今回は緩やかな利上げを予想していることもあり、米利上げの影響は限定的」と見ている。

 一方、中国の景気先行きに対する懸念も緩和されそうだ。15年6月に急落した上海総合指数は、足元で戻り歩調にある。いざとなれば中国は利下げによる金融緩和、財政出動の余地がある点も日米欧など先進国にはない強み。原油価格の動向には注意が必要だが、中国の景気先行き不透明感が後退すれば、需給が引き締まり原油価格の下値も限定される可能性が高い。

提供:モーニングスター社