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金融・経済ニュース

モーニングスター年末特集=2016年原油見通し=WTI原油、供給過多続けば衝撃の10ドル台も(2)

2015-12-30 19:27:00.0

<サウジの「シェールつぶし」>

 世界的なリスクオフを巻き起こした今回の原油安に関し、サウジアラビアは別の思惑を持っている可能性が高い。端的に言えば米国のシェールオイルつぶしだ。米国のシェールオイルは「シェール革命」により、ここ数年で飛躍的に生産量を増やした。サウジアラビアにとっては非常に面白くない状況で、つぶす機会を虎視眈々(たんたん)と狙っていた。OPEC総会における生産量の現状維持は、まさにその戦略を実行したといえる。

 米シェールオイル生産業者の採算分岐点は地域によってバラつきはあるが、おおむね1バレル当たり40−80ドル。足元の原油価格ではとてもではないが利益は出ない。一方、サウジアラビアをはじめ中東諸国の陸上油田は20ドル以下。01年ごろのWTI原油は10ドル台で推移していたが、中東諸国の陸上油田に関しては当時と比べそこまで生産コストに違いはなく、現状の価格でも国家としての財政面はともかく利益自体は出る。サウジアラビアがこの耐久戦の落としどころをどう考えているかは不明だが、「シェールつぶし」を続けるなら原油価格反転の望みは薄い。

<世界経済には好影響も>

 原油価格の下落は産油国SWFの資金引き上げを生んだが、一方でガソリン価格の下落から消費が活性化している。自動車社会の北米では特に顕著となっており、15年自動車販売数は1−11月の累計販売が1582万7210台。季節調整済み・年率換算は1820万台で、2000年に記録した過去最高の1735万台を更新することはほぼ確実。こうした恩恵は住宅販売や家電といった分野にも広がっている。これは北米に限らず日本を始めとしたアジア、欧州でも同様。原油価格の低落傾向が変わらなければ、16年も消費は期待できる。

 株式市場への影響はどうか。米国のエクソンモービルやシェブロン、日本ならJXホールディングス<5020>、出光興産<5019>など石油株は時価総額が大きく、指数に与える影響は大きい。結果として全体の上値を重くしているが、消費の活発化から世界経済が上向けば株式市場に好影響を与えそうだ。

提供:モーニングスター社