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金融・経済ニュース

モーニングスター年末特集=2016年の米国株は前半と年末に高値、「金融政策」「選挙」がポイント(2)

2015-12-30 19:23:00.0

<保有資産再投資の減額・停止にも注目>

 金融政策において、利上げペースと並んで注目されるのが、保有資産の再投資の減額・停止である。08年から14年秋までの量的緩和策によって、FRBは長期国債と住宅ローン担保証券(MBS)を買い入れ、保有資産は4兆5000億ドル(約540兆円)に達する。現時点では、保有資産が満期を迎えても、同額分を再投資している。先のFOMCでも、FF金利が通常の水準に戻り軌道に乗るまでは、再投資策を維持する方針が示された。市場でも16年中は再投資策が継続されるとの見方が優勢である。

 ただ、年後半のポイントである「選挙(大統領選・議会選)」との関連から、FOMCで何らかの言及がなされる可能性も否定できない。金利が上昇すれば保有資産に含み損が発生するリスクがあり、選挙戦でその点が争点として浮上する可能性があるためだ。民主、共和両党の大統領候補が決まる7月よりも前にFRBが言及する可能性があり、その場合には6月のFOMCが浮上してくる。再投資の減額・停止は利上げ開始以上に金融政策の引き締め感が強く、株式市場にとっても重しとなるみられる。

 これらのことから、米国株式は、ひとまず3月初めにかけて上値を追う展開になるとみられる。3月FOMCでの2回目の利上げが見送られた場合には、6月初めにかけて強含む展開が続くと予想される。NYダウでは、15年5月19日の過去最高値(終値ベースで1万8312.39ドル、取引時間ベースで1万8351.36ドル)を超え、1万9000ドル台前半までの上昇が見込まれる。

 それ以降は、2回目の利上げなどを受けて調整モードとなり、11月の「選挙(大統領選・議会選)」に対する政治の先行き不透明感も重しとなりそうだ。1万6000ドル近辺まで調整することもあり得る。

<政治的なねじれに対する警戒も>

 「選挙(大統領選・議会選)」では、「ねじれ」に対する懸念がある。大統領選に関しては、共和党の候補者選びが混とんとしており不透明要素が多いが、現時点では民主党の候補者レースでリードしているヒラリー・クリントン氏が優勢とみられている。下院は共和党が引き続き制するとみられるため、大統領と下院のねじれが続くことになる。

 加えて、大統領選を民主党が制した場合には、同党が上院の過半数も奪回する可能性が出てくる。過去のねじれ状況下では、米国のデフォルトリスクの可能性が高まったり、「財政の崖」問題で揺れたり、政府機関の閉鎖が起きた。17年以降の政治の停滞リスクに対する懸念が広がり、選挙前には株式市場の上値を抑える恐れがあろう。ただし、選挙終了後には、ひとまず悪材料が出尽くしたとして、買い戻す動きが入ることもありそうだ。個人消費の堅調ぶりが継続すれば、年末に向けて再度高値を試す動きが想定される。

 金融政策と選挙戦は、16年の米国株式市場をめぐる主要なリスクでもある。このほかには、中国など新興国の経済減速、原油などエネルギー・商品市場の混乱、テロの脅威などがある。

提供:モーニングスター社